列作者:中村 文則講談社Amazon いやあ、出だしが快調だったんだけれども、ねえ。サルの話になってから、大凡庸になった。なんでこんな展開にするのだろう。サル社会がヒト社会の原型になっているというのは、おおきな勘違いで、人間社会の遠近法でサルの集団…

これが賢儒か

死にたくない 一億総終活時代の人生観 (角川新書)作者:蛭子 能収KADOKAWAAmazon エビスさんは、ますます孔子っぽいひとに思えて来るねえ。ていうか、孔子がエビスさんっぽいのではないかな。エビスさんの生存戦略は正しすぎる。エビスさんの意図を超えて、こ…

ほかした話ですよ

絵本むかし話ですよ 弐作者:五味太郎方丈社Amazon 2冊目。むかし話は理不尽(な設定)だ。オトナの世界は理不尽(な決着)だ。ふたつの理不尽が重なるとき、マイマイはプラスになるように、チョー常識的な物語になる、かも。得がたいアヒルの子のお話と、み…

すかした話ですよ

絵本 むかし話ですよ作者:五味 太郎方丈社Amazon うはは、こういう五味太郎って、もう本領だよね。各話ごとにレイアウトやフォントまで違うのは、唸っちゃう。こういうことしてくれる人って、居そうで、ぜんぜんいないんだよなあ。童話をひねってオトナ向け…

空はこんなに青いのか。。。

青空について作者:原田 宗典光文社Amazon もう四半世紀前の本なんだけれども、原田宗典の詩集ということでひもといたのだけれども、出だしの何編かは快調だったのに、途中から単なる中年オトコのぼやきになっていって。。。これが、大正・昭和初期の文士だっ…

斜めから覗く

湖畔地図製作社作者:長野まゆみ国書刊行会Amazon いやあ、不思議で、奇妙で、素晴らしい本だなあ。スコープオブジェって、はじめて知ったよ。このミクロで世界が広がる玄妙な美術に、長野まゆみのナラティブがなんと似合うことよ。

笑うぼっちには、福来る

ひとりぼっちを笑うな (角川oneテーマ21)作者:蛭子 能収KADOKAWA/角川書店Amazon エビスさんの生き方っていうのは、近代的な世俗人ということができるけれども、エビスさんのいう「ひとりぼっち」というのは、現代的頽落を拒否した態度であるのだろう。エビ…

注念男まつり

〔使える日めくり〕まいにち、エガ! ([実用品])作者:江頭2:50自由国民社Amazon 某コンビニで、エガ氏のポテチが発売されて。買ってるの、みんなオヤジばっかっていう話。いったい、どんなキャンペーンなんだよ、という。なんか、さえない光景だなあ。今年は…

ゆめゆめ男子は現実主義者とおもうなかれ

夢見る男子は現実主義者 1 (HJ文庫)作者:おけまるホビージャパン(HobbyJAPAN)Amazon このアニメって、イマイチぴんとこなくてつまらんかったけれども、でもなんかミョーに気になるところがあって、小説にあたってみようかと思ったけれども、、、まあ、所詮な…

ズベらない話

実話BUNKAタブー 2024年3月号コアマガジンAmazon ブンタブはミソジニー男性向け雑誌だから、てっきり人志松本を擁護するもんだと思っていたら、ダウンタウンごと排撃してたねえ。で、あ、そうか、と思ったのは、弱者男性側からみれば、人志松本って上級…

上納農場

【メーカー特典あり】福岡人志、~松本×黒瀬アドリブドライブ~ 第1弾 本気の福岡愛が満載(ステッカー ホワイト付) [DVD]松本人志Amazon せっくる上納のビデオですか(笑) まあ東京よりも福岡のほうがバレないって、あからさまだよな。人志松本問題って、誰がオ…

タクシー代何円?

恋ができるなら失恋したってかまわない作者:スピードワゴン 小沢 一敬宝島社Amazon わはははは。人志松本の問題で、スピードワゴンの小沢のほうが気になったんですけど。。。いやあ、味わい深いタイトルだねえ。読もうと思わないけれどもさ。まあ、あきれる…

あけまして、おメリカン

ほんの数行作者:和田 誠七つ森書館Amazon 眠れない時代 (ちくま文庫)作者:リリアン ヘルマン筑摩書房Amazon 和田誠『ほんの数行』で紹介された、リリアン・ヘルマン『眠れない時代』の一節。。。。。。。。。 アメリカでは、過ちを覚えているのは不健康、そ…

名探偵困難

このミステリーがすごい! 2024年版宝島社Amazon このミス、2回目のコナン表紙で、買う気が失せる。もうネタがないのね。ベストテンのラインナップも見たけれども、どうでもいい感が横溢。京極夏彦のムダに厚い本も読む気しないし、ほんとに面白くもなんとも…

検察は賢察か

なぜ「政治とカネ」を告発し続けるのか作者:上脇博之日本機関紙出版センターAmazon 一躍、時の人だなあ、上脇教授。いや、以前から、政治資金がらみの醜聞については、細かくコメントしてたし、たくさん告発してきたわけだし。上脇さんの告発した案件につい…

おットット

続 窓ぎわのトットちゃん作者:黒柳 徹子講談社Amazon 今になって、トットちゃんリバイバルっていうのも、なんだかなあ、と思うのです。いやまあ、良い本ではあるのだけれども、あのタマネギ頭おばさんの自意識が垂れ流されているものでもあるわけで、で、アニメ…

だから、ヅカ

宝塚 変容を続ける「日本モダニズム」 (岩波現代文庫 学術442)作者:川崎 賢子岩波書店Amazon ヅカも、もう賞味期限切れだから、スキャンダルがバクロされるのかねえ。文化研究のネタになる一方で、あんなものと密かに嘲笑されてもいる。いっそ、道化として、…

そうかがっかリ

公明党 - 創価学会と50年の軌跡 (中公新書)作者:薬師寺 克行中央公論新社Amazon まあ池田大作がホトケになって、公明党がどうなるか、ということで、自民党は大揺れ、、、らしいけれども。まあ、池田信者にしてみれば、公明党がどうなろうが、自民党がどうし…

シン・デレラ物語

ガラスの靴 (新潮文庫)作者:ファージョン,エリナー新潮社Amazon やっぱりシンデレラは、絵本にかぎるなあ、と思わせられる。童話、というか、ポエティックな小説だと、やりたいことはわかるけれども、ディテールが、オトナの妄想に染まっちゃったようになっ…

なんちゅーかほんちゅーか

実話BUNKAタブー 2024年1月号コアマガジンAmazon 発売1日前のブンタブ。すっかり萎えた男根主義雑誌になっちまったなあ。で、日高屋ってそんなまずいの。あんまり行ったことないけれども、そんなまずくなかったけれども。だけれども、せっくせっくうる…

からだの媚

からだの美作者:小川 洋子文藝春秋Amazon 小川洋子は、やっぱり面妖な作家だなあ、と思うのだ。この本の主旨だと、何らかの官能性が浮き彫りになるもんだと思っていたけれども、そこのところをギリギリでそれるんだよなあ。もっとエロくなっていいのに、と不…

バケモンげっとだぜ

【Amazon.co.jp限定】「ダークギャザリング」Blu-ray 第1巻(L判ブロマイド4枚セット付) [Blu-ray]篠原侑Amazon いやあ、これ、まじでこええっす。まじ怖いっす。少なくともアニメにおけるホラー系の代表作的存在になるんじゃないのか。虚仮おどしのショッカ…

現在人

自由訳 イマジン作者:レノン,ジョン,ヨーコ, オノ朝日新聞社Amazon むかし、イマジンをヒマジンと読み替えても、意味が通じるもんだよ、といわれて、なんてバチ当たりな、とおもったけれども、でもまあ、実際なんとなく意味が通じたなあ。イマジンの本質を理…

一行の偉業

日本一みじかい詩の本岩崎書店Amazon 一行詩って、やっぱりいいわあ。自由律俳句とも違うのね。題名があるのが詩で、ないのが自由律、ってわけでもないけれども。自然を詠むのが自由律、対象をコトバで啓くのが詩、なんだろうなあ。さっぱりする。

ステップスキップ

スキップスキップ (【2歳・3歳・4歳児からの絵本】)作者:あまん きみこひさかたチャイルドAmazon あまんきみこと黒井健の組み合わせは、この本から始まったのか。こっちもうれしくなって、スキップしたくなる。あ、逆か。スキップすると、うれしくなって、こ…

天にも負けず

宮沢賢治の世界 (筑摩選書)作者:吉本 隆明筑摩書房Amazon 宮澤賢治の幻想を、客観的に示していることに関して、どんな文学者・研究者よりも、吉本隆明の言及だろうと思う。自然的世界とその彼岸までをも、科学的視線と日蓮宗的倫理観で包括しようとする宮澤…

隙だらけの子がメガネ芸をわすれた

好きな子がめがねを忘れた(11) (ガンガンコミックスJOKER)作者:藤近小梅スクウェア・エニックスAmazon アニメ見てるけれども、1ミリもおもろないのだが。ノーメガネのボケって、今まで何十年も漫才やらコントやらの蓄積があるけれども、そこから一歩も抜け…

私詳説

蝙蝠か燕か作者:西村 賢太文藝春秋Amazon ほんとに最後の私小説作家だったなあ。放蕩にして求道。放埓でも極道でもないけれども。パラノイアが幸福なかたちをとるには、ファロセントリックな無様さが必要なのかとおもったけれども、さ。いずれにせよ、藤澤清…

夜も眠れなくなっちゃう

地下鉄の駅はものすごい作者:渡部史絵平凡社Amazon 伊集院光の100年ラヂオで、春日三球・照代の地下鉄漫才を久しぶりに聴いて、大笑いだったよ。やっぱり昭和後期の漫才は、クレイジーだわ。狂気と正気ならぬ瘴気が紙一重。笑いながら、そこら辺のスリル…

だいじょうぶなかしこい子どもたち

じょうぶな頭とかしこい体になるために作者:五味 太郎ブロンズ新社Amazon 改正教育基本法施行前の本ですね。五味太郎の問題意識は、いまだにアクチュアルだけれども、改正法後の子どもたちに、伝わるかなあ。子どもがヘンになって、ますます珍妙な質問が増え…