桜庭一樹『青少年のための読書クラブ』(新潮社)レビュー

青年のための読書クラブ

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桜の園”という女子ホモソーシャル(笑)の“せかい”に、生成するトリックスターファルマコンとしての“王子”さま百年史。文学パロディの枠組みを、ファースとしての女子小説が絶えず揺さぶっているのがいい。文句なく面白い。それにしても、「肉を揺らしてドスドスと走りさった」という表現、男子にゃ書けないよねえ。