大政翼賛会のメディアミックス:「翼賛一家」と参加するファシズム
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2018/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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久々に読む大塚英志のサブカル批評・研究本だが、この「メディアミックス」はサブカルではないのだった。大政翼賛会主導のメディアミックス企画だった「翼賛一家」。戦時全体主義たる「新体制」が仕掛けたメディアミックスは、近代日本人の共同体的意識の空虚を補填しながら、昭和初期のサブカル精神を蚕食していく。「翼賛一家」の痕跡は、帝国日本が崩壊してから、手塚治虫の「勝利の日まで」に突っ込まれた戦時全体主義の戯画的な影として、手塚マンガの主題性の誕生に到る前段に費やされることになる。