2019-08-08 ビートたけし『フランス座』(文藝春秋)レビュー 作者名ハ行 フランス座作者: ビートたけし出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/12/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る デビュー以前のころを描く自伝的小説。まあ、たけしの抱くニヒリズムのかたちがほんのり見える。思うに、“父”の役割を代行した感のある母の抑圧から逃れるため、抑圧する能力のない“父”、空虚な“父”を追い求めて、浅草演芸界に身を沈めたのではないか、と。だから、彼の抱くニヒリズムは、“父”の不在による家族的関係性の不可能性を本質とするものではないか、と思う。