ぞんざいな時間

 
 遅ればせながら読んだこの本、本文より、解説の域を超えた長文をしたためた大澤真幸の「解説」のほうが、メインですな。ひとは、どの時点で倫理感をもつのか。それは、すべてが終わった後、「終末」のあとである。ハイデガー的実存論の無効化としては、これ以上のものはない。たとえば、三島由紀夫の自決以後の右翼運動なんかは、この図式にあてはまるのではないか。大澤はフクシマ以後の反原発運動を挙げたりしてるけれども。