2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

芦辺拓『鶴屋南北の殺人 』(原書房)レビュー

鶴屋南北の殺人 (ミステリー・リーグ)作者:拓, 芦辺発売日: 2020/06/17メディア: 単行本<br> 相も変らぬ語り口で安心できる、というか。ヒール役を躊躇なく戯画的に描くのはもはや“作風”っていうしかないのだろうなあ、と思いつつ。ひねりすぎて結末がよく分から…

市川憂人『揺籠のアディポクル』(講談社)レビュー

揺籠のアディポクル作者:市川 憂人発売日: 2020/10/14メディア: 単行本 いやあこの作者のストレートなサスペンスが読みたかった。期待にたがわぬ秀作。まあ当然ギミックは仕掛けられているけれども、主旋律は心理サスペンスだ。最後の幕切れも、泣かせるし。…

城戸喜由『暗黒残酷監獄』(光文社)レビュー

暗黒残酷監獄作者:城戸 喜由発売日: 2020/02/19メディア: 単行本 賛否両論の受賞作、というんで、やや気合い入れて読んだりしたくなるが、基本的には脱力系ミステリにカテゴライズされるべきもの。オフビートでテンションやや低、といった感じの作品で、この…

阿津川辰海『透明人間は密室に潜む』(光文社)レビュー

透明人間は密室に潜む作者:阿津川 辰海発売日: 2020/04/21メディア: 単行本(ソフトカバー) 本格ミステリベスト10で、トップをとった短編集。だけれども、ピンとこなかったなあ、どうも。表題作と3番目のお話はGJ。2番目のパロディは、まあオタクを描…