2020-01-01から1年間の記事一覧

庚子(かのえね)は言わねえのか

理論疫学者・西浦博の挑戦-新型コロナからいのちを守れ! (単行本)作者:西浦 博,川端 裕人発売日: 2020/12/08メディア: 単行本 今年のマン・オブ・ザ・イヤーだね。いよいよ2021年は日本も正念場という気がするわけで。オリンピックははよ消毒しましょう…

辻真先『たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)』(東京創元社)レビュー

たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)作者:辻 真先発売日: 2020/05/29メディア: 単行本 まさに時代の生き証人たる作者の、若々しさというか老成を拒否したような、筆致と結構を持つ本格ミステリの快作。厳めしい重厚感から逃れても、時代の跛行する様…

深木章子『欺瞞の殺意』(原書房)レビュー

欺瞞の殺意 (ミステリー・リーグ)作者:章子, 深木発売日: 2020/02/15メディア: 単行本 本格ミステリファンのための殺人、とでもいうべきか。こういうプロットだったら、いっそのこと、ふたりとも推理作家にしちゃえばよかったのに。いや女の方だけでいいか。…

昭和を唱和しましょうわ

このミステリーがすごい! 2021年版発売日: 2020/12/04メディア: 単行本 辻真先御大祝祝祝! だね。年末年始にじっくり読む予定。あと深木章子さんがベストテンに入ってよかった。こちらもこれから読む。昭和世代のひとたちには、精いっぱいがんばってもらわ…

シベジツ超特急

現代哲学の最前線 (NHK出版新書)作者:昌樹, 仲正発売日: 2020/07/10メディア: 新書 思弁的実在論の解説目当てで。シベジツってそういうことだったら、、柄谷行人にアタマがあがらないんじゃないか、と思ったり。通読して、あらためて思ったのは、英米におけ…

君はどなた

君は彼方 (ファンタジア文庫)作者:瀬名 快伸発売日: 2020/11/20メディア: 文庫 見に行こうかなあ。東京メトロがやたら推してるカラミで、東武のローカル線でもこのポスター見て。うーんブクロが舞台って、サイタマいじりが若干ありそうな感じ。にしても、PR…

五輪のゴリ押しもうコリゴリ

弱さのちから作者:若松 英輔発売日: 2020/07/22メディア: 単行本(ソフトカバー) オリンピック、観客入れて開催するんだってよ。あのさ、テロリストが五輪中止を要求してるんじゃないんだよ。新型コロナちゃんとこれから共生していかなきゃならんのだよ。ワ…

深水黎一郎 『詩人の恋』(KADOKAWA)レビュー

詩人の恋作者:深水 黎一郎発売日: 2020/09/30メディア: 単行本 面白かったけれども、この名曲の絵解きにこういう物語構成は必要だったかは、ちょっと。絵解きの内容をもっと体現するような物語があっても、というか。作者にはある程度のシニカルな趣を期待し…

開票を止めるな

緊急検証 大阪市がなくなる作者:吉富有治発売日: 2019/06/01メディア: 単行本 大阪都構想というか大阪市廃止は、またもすんでのところでストップがかかったけれども。マスメディアが維新にジャックされているのも問題だけれども、自分からすすんで騙されたが…

正社員テロリスト集団

機動警察パトレイバー 後藤喜一ぴあ (ぴあ MOOK)発売日: 2020/10/01メディア: ムック こんなの出てた。パトレイバーの後藤本。まあ後藤さんはいいんだけれども、問題は内海以下の悪党集団だね。あいつら、今まで出会ってきた悪役のなかでも、最高度に大嫌い…

上流サヨクと下流ウヨク?

ゆるく考える作者:東浩紀発売日: 2019/02/26メディア: 単行本 あずまんの実話BUNKAタブーのインタビュー読んだけれども。上流階級リベラルへの下流階級のルサンチマンを重要視するのはわかるけれどもさ、でも分かってくれるやつがいるだけ有難く思うひ…

真のニッポン無責任時代の到来。。。。。

安倍政権時代:空疎な7年8カ月作者:高野 孟発売日: 2020/10/05メディア: 単行本(ソフトカバー) 空疎でしたね。7年8ヶ月。北方領土も売っぱらっちゃいましたからね。これほどあっけらかんとした売国も、憲政史上初めてだろう。これで失政を問われない、い…

どのへんをそのように受け止めてらっしゃるか

そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか (文春文庫)作者:みね子, 能町発売日: 2020/09/02メディア: 文庫 能町みね子の週刊文春の連載コラムが、今一番面白い。メディアを中心とした時代状況のおかしさを、マトモな感覚で、飄々と真正面から切り込んでい…

コビット19の記憶

デフォー『ペストの記憶』 2020年9月 (NHK100分de名著)作者:武田 将明発売日: 2020/08/25メディア: ムック NHK100分de名著の『ペストの記憶』のシリーズは録画してる。どうにもこうにも、長期戦というよりも、締まりのないパンデミックの様相を呈してきてい…

岡本学『アウア・エイジ(our age) 』(講談社)レビュー

アウア・エイジ(our age)作者:岡本 学発売日: 2020/07/31メディア: 単行本 たまたま読んだ芥川賞候補作、面白かった。言葉遊びからの発想だろうが、主題性がなんだか70年代っぽいニオイがして、なかなかオツなもので。実存的に低回する人生と、ミステリー…

櫻田智也『蝉かえる』(東京創元社)レビュー

蝉かえる (ミステリ・フロンティア)作者:櫻田 智也発売日: 2020/07/13メディア: 単行本<br> 2冊目で打ち止めっぽくなってる。別にわざわざ泡坂妻夫を引き合いに出さんでも、ねえ。一番最後の話が、作者の本質の部分を表しているのだと思うけれども、これとかそ…

棒なめて童たのしもガリガリ君

ガリガリ君ができるまで作者:岩貞 るみこ,黒須 高嶺発売日: 2020/07/03メディア: 単行本 過ぎし鬱陶しい夏の日々を、あの坊主頭の定番アイスのお仕事小説で見送ろう。ていうか、ガリガリ君がすきですきでメーカーに就職したという主人公の設定はザックリしす…

で、やるの?

オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側 (文春新書 1249)作者:後藤 逸郎発売日: 2020/04/20メディア: 新書 アベちゃんがお腹痛くても総理の座にしがみついていたのは、それでオリンピックに出席したかったからでしょ。辞めたってことは、もう東オ…

で、やるの?

オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側 (文春新書 1249)作者:後藤 逸郎発売日: 2020/04/20メディア: 新書 アベちゃんがお腹痛くても総理の座にしがみついていたのは、それでオリンピックに出席したかったからでしょ。辞めたってことは、もう東オ…

小林泰三『ティンカー・ベル殺し』(東京創元社)レビュー

ティンカー・ベル殺し (創元クライム・クラブ)作者:小林 泰三発売日: 2020/06/30メディア: 単行本 陽気な健忘症の殺人鬼ピーターパンに翻弄される例の宇宙だけれども、現実世界の設定もさらにややこしいものになっていて、どれだけの人がついてこられるのか…

ひぐらしのなく季節です

ひぐらしのなく頃に 第1話 鬼隠し編 上 (講談社BOX)作者:竜騎士07発売日: 2007/08/02メディア: 単行本 いきなり「ひぐらしのなく頃に」が復活。再放送の十何年前の今千秋監督バージョンを見て、こわいこわい。リバイバルは川口敬一郎監督で気になる気になる…

MMTのお勉強

図解入門ビジネス 最新MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本作者:慎, 望月発売日: 2020/03/24メディア: 単行本 この本はわかりやすい。なぜベーシックインカムを批判する立場なのかわかる。しかし、国家が貨幣に信用を与えるだけでなく、通貨を消滅させる役割も…

法月綸太郎『赤い部屋異聞』(KADOKAWA)レビュー

赤い部屋異聞作者:法月 綸太郎発売日: 2019/12/04メディア: 単行本 のりりんのブッキッシュな自意識をアイロニーで活け締めにしたような感触を持つ。オマージュとはかくも求道的なものなのか、なんてな。オーラスの「迷探偵誕生」の愉しい隘路に嵌り込む前に…

GO TO TRAVELって

観光亡国論 (中公新書ラクレ)作者:アレックス・カー,清野 由美発売日: 2019/03/07メディア: 新書 利権というからにゃ、もっと露骨に損失補填やりゃいいのに。損害与えたの政府でしょ。ま、これとは別に、観光立国なんて信じちゃないけれども、さ。所得補償で…

もうすぐ東京五輪!!!

オリンピック経済幻想論 ~2020年東京五輪で日本が失うもの~作者:アンドリュー・ジンバリスト発売日: 2016/03/10メディア: 単行本やっぱりいらない東京オリンピック (岩波ブックレット)作者:博毅, 小笠原,敦久, 山本発売日: 2019/02/06メディア: 単行本で、オ…

北野武『北野武第一短篇集  純、文学 』(河出書房新社)レビュー

北野武第一短篇集 純、文学作者:北野武発売日: 2019/10/18メディア: 単行本 まあ基本的に北野翁が小説書いてますますわけのわからなさを追求してくれれば満足っす。この本は、漫才と落語の延長線上にあるようなお話を集めたものだけれども、このナラティブの…

宇都宮さんって

東京をどうする作者:宇都宮 健児発売日: 2017/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー) 3年前の本持ち出してきてナンですが。本気で知事の座を奪う意思はありやなしや。でも結構、このひと、自民党からの支持を得たい本心があるんじゃないかなあ。

世論調査って

データ・リテラシーの鍛え方 “思い込み”で社会が歪む (イースト新書)作者:田村 秀発売日: 2019/12/08メディア: 新書 産経・FNN世論調査不正って、誤報を超える大スキャンダルだと思うけれども。思ったほどライバル媒体は騒いでないね。罪のないものだけが…

西澤保彦『逢魔が刻 腕貫探偵リブート 』(実業之日本社)レビュー

逢魔が刻 腕貫探偵リブート作者:西澤 保彦発売日: 2019/12/20メディア: 単行本(ソフトカバー) 4年ぶりなの、もう。作者はいろいろシリーズもの持ってるからなあ。だーりんが出てくるのは掉尾を飾るお話だけだが、その前のサイコのお話、こういうのきっち…

日本モデルって

実話BUNKAタブー 2020年8月号発売日: 2020/06/16メディア: 雑誌 実タブ最新号の本文巻頭記事よめば、ポンニチの民が哀れな仔羊であることが十二分にわかります。自粛というコトバを流行らせて、ロクな補償を受けられない国民って民度が高いって言えるんでし…