2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

十川幸司『来るべき精神分析のプログラム』(講談社選書メチエ)レビュー

来るべき精神分析のプログラム (講談社選書メチエ)作者: 十川幸司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/10メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 46回この商品を含むブログ (22件) を見る 内容はタイトルのとおり。やっぱり精神分析にたずさわる人向けだと…

檜垣立哉『賭博/偶然の哲学』(河出書房新社)レビュー

賭博/偶然の哲学 (シリーズ道徳の系譜)作者: 檜垣立哉出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/10/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 75回この商品を含むブログ (12件) を見る “生きる”ことは、博打を打つこと。いかなる行為も、その“結果”の必然を…

永井するみ『レッド・マスカラの秋』(理論社)レビュー

レッド・マスカラの秋 (ミステリーYA!)作者: 永井するみ出版社/メーカー: 理論社発売日: 2008/12/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る ティーンネイジャーを主人公に業界小説を書くと、成長=教養小説として違和感ないものになるのだなあ…

拓未司『蜜蜂のデザート』(宝島社)レビュー

蜜蜂のデザート作者: 拓未司出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2008/12/03メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (24件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル38 良くも悪くもアク…

若竹七海『プラスマイナスゼロ』(ジャイブ)レビュー

プラスマイナスゼロ作者: 若竹七海,杉田比呂美出版社/メーカー: ジャイブ発売日: 2008/12/03メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (34件) を見る スラップスティックな青春ミステリ。いろんな意味で、意表を突くお話が揃っているけれども、や…

いしいしんじ『四とそれ以上の国』(文藝春秋)レビュー

四とそれ以上の国作者: いしいしんじ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (32件) を見る 四国、といったら坂東真砂子っていうのはどれくらいの人が覚えているのかなあ。本作は、無論それ…

岩村充『貨幣の経済学』(集英社)レビュー

貨幣の経済学 インフレ、デフレ、そして貨幣の未来作者: 岩村充出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/09/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (11件) を見る バーナンキさんが念願の(?)ゼロ金利政策に踏み出し、インフレ数値目…

鈴木光司『エッジ 上・下』(角川書店)レビュー

エッジ 上作者: 鈴木光司出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/19メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (22件) を見るエッジ 下作者: 鈴木光司出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/19メディ…

篠田節子『仮想儀礼 上・下』(新潮社)レビュー

仮想儀礼〈上〉作者: 篠田節子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/12/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (50件) を見る仮想儀礼〈下〉作者: 篠田節子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/12メディア: 単行本購入: 4人 クリ…

近藤史恵『寒椿ゆれる』(光文社)レビュー

寒椿ゆれる―猿若町捕物帳作者: 近藤史恵出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/11/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (18件) を見る シリーズ読者にはしっかり訴求するけれども、シリーズ初読者には、読み流されてしまうかも、…

辻村深月『太陽の坐る場所』(文藝春秋)レビュー

太陽の坐る場所作者: 辻村深月出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/12メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (68件) を見る スクール・カーストの時代を元同級生たちが振り返る。仕掛けられたギミックが、“悪意”の存在の、過去と…

笠井潔『探偵小説は「セカイ」と遭遇した』(南雲堂)レビュー

探偵小説は「セカイ」と遭遇した作者: 笠井潔出版社/メーカー: (株)南雲堂発売日: 2008/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (21件) を見る 90年代半ばに、加藤典洋が『敗戦後論』を発表したとき、左右両極から、批判の集中…

島田荘司・監修『本格ミステリー・ワールド2009』(南雲堂)レビュー

本格ミステリー・ワールド 2009作者: 島田荘司出版社/メーカー: 南雲堂発売日: 2008/12/19メディア: ムック購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る 昨年の『2008』をゲットしてパラ見して、来年からは立ち読みでいいや、と思いきや…

奥田英朗『オリンピックの身代金』(角川書店) レビュー

オリンピックの身代金作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/11/28メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (101件) を見る 1960年代半ば、「理想の時代」の末期の熱狂の世相を詳らかにしながら、高…

恒川光太郎『草祭』(新潮社)レビュー

草祭作者: 恒川光太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (48件) を見る 異空間を特別にあつらえたコトバにたよって構築してきた感のある既作と違って、本作では、繊細な描写の積み重ねで…

苅谷剛彦『教育再生の迷走』(筑摩書房)レビュー

教育再生の迷走作者: 苅谷剛彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (15件) を見る アベちゃん政権のときにキモ入りで発足した教育再生会議の迷走というか珍走ぶりは、上杉隆『官邸崩壊…

仲正昌樹『集中講義!アメリカ現代思想―リベラリズムの冒険 』(NHKブックス)

集中講義! アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険 (NHKブックス)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2008/09/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 125回この商品を含むブログ (85件) を見る 「集中講義!」シリーズの第二弾。…

酒井信『最後の国民作家 宮崎駿』(文春新書)レビュー

最後の国民作家 宮崎駿 (文春新書)作者: 酒井信出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/10メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (8件) を見る 切通理作『宮崎駿の「世界」』を総体的な作家論とするならば、本書は「国民作家」としての宮崎駿、…

山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』(東京創元社)レビュー

豪華客船エリス号の大冒険作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/11メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (15件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル39 漫…

北山猛邦『踊るジョーカー』(東京創元社)レビュー

踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿作者: 北山猛邦出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 23回この商品を含むブログ (61件) を見る ミステリアス8 アクロバット9 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッショ…

米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ 「古書に曰く、アミルスタン羊は『唇』が佳いとあります。今夜は唇の蒸し物を、心ゆくまでご堪能いただきたいと考えております」(「儚い羊たちの晩餐」PP251−252より) 儚い羊たちの祝宴作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 新潮社発売日:…