2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

山口芳宏『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』(創元推理文庫)レビュー

蒼志馬博士の不可思議な犯罪 (創元推理文庫)作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/06/11メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (11件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション8…

呉智英『つぎはぎ仏教入門』(筑摩書房)レビュー

つぎはぎ仏教入門作者: 呉智英出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/07/23メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 84回この商品を含むブログ (35件) を見る 呉智英に関しては、三年前に佐々木譲にインネンつけて、見事に自爆した件で、私のなかではポレミカ…

乾ルカ『四龍海城』(新潮社)レビュー

四龍海城作者: 乾ルカ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/07メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る 『密姫村』『六月の輝き』『てふてふ荘へようこそ』と毛色を違えて、超自然的物語を紡いで確かな力量を読者に示した作者が描…

中山元『正義論の名著』(ちくま新書)レビュー

正義論の名著 (ちくま新書)作者: 中山元出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/06/06メディア: 新書購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (9件) を見る 西洋哲学における「正義」の概念の変遷を、西洋哲学史における重要人物たちの考察を閲しなが…

小杉健治『疑惑 裁判員裁判』(集英社文庫)レビュー

疑惑 裁判員裁判 (集英社文庫)作者: 小杉健治出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/03/18メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 『黙秘』に続く作者の裁判員裁判シリーズ。社会派的プロットにツイストを加える技量は確か…

門井慶喜『小説あります』(光文社)レビュー

小説あります作者: 門井慶喜出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/07/20メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 実在する雑誌や作家・批評家を登場させ、彼らの発言を創作してリアリティを持たせているが、なるほ…

門前典之『灰王家の怪人』(南雲堂)レビュー

本日のエピグラフ 「自由でいたいんだよな。誰からも縛られたくないし――」と、子供じみたことを何度も口にするだけだった。そんな彼がうらやましくもあり、また、彼のように自由でありたいと願った。(p.31) 灰王家の怪人 (本格ミステリー・ワールド・スペシ…

田島正樹『正義の哲学』(河出書房新社)レビュー

正義の哲学 (道徳の系譜)作者: 田島正樹出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/04/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (10件) を見る 「革命的左翼」なんてコトバが出てくるから、おおっと身構えたけれども、内容はあから…

薬丸岳『刑事のまなざし』(講談社)レビュー

刑事のまなざし作者: 薬丸岳出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/07/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る 一人娘を暴漢に襲われた過去を持つ元法務技官の刑事が主人公の連作。前半三編が推理小説年鑑に収録された…

門井慶喜『この世にひとつの本』(東京創元社)レビュー

この世にひとつの本作者: 門井慶喜出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/04/28メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る 面白い。出版業界のうちの印刷会社という特殊領域を題材にしているので地味なことは確かだけれども、作者…

武田徹『原発報道とメディア』(講談社現代新書)レビュー

原発報道とメディア (講談社現代新書)作者: 武田徹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/17メディア: 新書購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (26件) を見る 本書の「あと書きにかえて」の末尾に置かれている、擱筆を示す日付は6月1日であり、…

中山七里『魔女は甦る』(幻冬舎)レビュー

魔女は甦る作者: 中山七里出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/05メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る ホラー的要素を取り入れて、サスペンスをあたうかぎり物語を牽引することに奉仕させようとする意志が横溢しているが、そ…

柴田哲孝『冬蛾』(祥伝社)レビュー

冬蛾作者: 柴田哲孝出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2011/05/27メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る シリーズ前作が地方都市を舞台にしたものなら、本作はもっとディープに特殊な因習に縛られている村落の殺人ゲーム…

永瀬隼介『刑事の骨』(文藝春秋)レビュー

刑事の骨作者: 永瀬隼介出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/06/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る 元エリート刑事が汚名をすすぐかたちで、取り逃がしたサイコパスの追跡を始める。多視点構成が、一筋縄でいかないスト…

早瀬乱『エコーズ』(角川書店)レビュー

エコーズ作者: 早瀬 乱出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/05/31メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る 面白い。SF的なるものが“世界”を透視させていた時代の煌きを、ミステリーとスリラーの…