2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第45回衆議院議員選挙、総括――って、まだ投票日前日なのに

1、まずは、各新聞社の情勢分析が、いったいどこまで当たっているのかでしょ。300っていう数字は、観測気球で、はたして逆アナウンスとバンドワゴン、どちらの力学が作用するか、見定めるつもりなんでしょう。ワタシは290前後と予測。 2、「子ども手…

丸岡大介『カメレオン狂のための戦争学習帳』(講談社)レビュー

カメレオン狂のための戦争学習帳作者: 丸岡大介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (12件) を見る ゼロ年代のありうべき政治闘争を小説上で再現させたもの、もしくはフリ。これを、適…

西澤保彦『動機、そして沈黙』(中央公論新社)レビュー

動機、そして沈黙作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/07/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (13件) を見る ミステリ的興味を作者ならではのシュールなサスペンスで演出した6編。ディスカッションの果てに見出さ…

苅谷剛彦『教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか』(中公新書)レビュー

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)作者: 苅谷剛彦出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/06/01メディア: 新書購入: 12人 クリック: 105回この商品を含むブログ (44件) を見る 日本における「大衆教育社会」分析で有名な教育社会学…

津田 光夫, 三浦 清春, 寺尾 正之, 馬場 淳『10年後、あなたは病気になると家を失う―国民皆保険崩壊の真実』(日本経済新聞出版社)レビュー

10年後、あなたは病気になると家を失う―国民皆保険崩壊の真実作者: 津田光夫,三浦清春,寺尾正之,馬場淳出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2009/04/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 四半世紀前に、ひとりの旧厚…

後藤均『ゴルディオンの結び目』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ 「偽物だと思います。(…)」/(…)/「ええ。じっと絵を見つめていると、本質が見えてくるのです。(…)」(P230より) ゴルディオンの結び目作者: 後藤均出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/06/24メディア: 単行本 クリック: 2回この…

大倉崇裕『福家警部補の再訪』(東京創元社)レビュー

福家警部補の再訪 (創元クライム・クラブ)作者: 大倉崇裕出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/05/22メディア: 単行本 クリック: 30回この商品を含むブログ (30件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション…

鳥飼否宇『人事系シンジケート T−REX失踪』(講談社ノベルズ)レビュー

人事系シンジケート T?REX失踪 (講談社ノベルス)作者: 鳥飼否宇出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/04/08メディア: 新書この商品を含むブログ (13件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 …

篠田節子『薄暮』(日本経済新聞出版社)レビュー

薄暮作者: 篠田節子出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2009/07/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る 芸術家の来歴をめぐる小説が、芸術家をめぐるエゴイズムを剔出する展開になるのは、作者の問題意識が…

佐々木譲『廃墟に乞う』(文藝春秋)レビュー

廃墟に乞う作者: 佐々木譲出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/07/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 45回この商品を含むブログ (46件) を見る トラウマを抱えた刑事の復権の物語、という鋳型があるが、小説を面白くしているのは、様々な相貌を見せ…

松井今朝子『道絶えずば、また』(集英社)レビュー

道絶えずば、また作者: 松井今朝子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/07/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 三部作の完結編。梨園の後継絡みの変死事件を追う探偵役がメインと思いきや、その後継自身が事件を探る破目になる構成から、…

牧村一人『アダマースの饗宴』(文藝春秋)レビュー

アダマースの饗宴作者: 牧村一人出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/07/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (8件) を見る 大沢在昌が賛辞を送ったというのが、よく分かる作品。リーダビリティもさることながら、泥臭くなく…

歌野晶午『絶望ノート 』(幻冬舎)レビュー

絶望ノート作者: 歌野晶午出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/05/01メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (50件) を見る 予言ならぬ“預言”の自己成就、というべき悲喜劇。関係性の暴力がメインテーマだけれども、同時に伏在する“父”殺しと…

佐藤友哉『デンデラ』(新潮社)レビュー

デンデラ作者: 佐藤友哉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 69回この商品を含むブログ (67件) を見る 作者の代表作は、『1000の小説とバッグベアード』ではなくて、『灰色のダイエットコカコーラ』であると思っ…

獅子宮敏彦『神国崩壊―探偵府と四つの綺譚』(原書房)レビュー

本日のエピグラフ 「おそらく、広大な水が苦手、海が恐いという弱みを見せてしまったことで、それを払拭するために、また奇蹟の力を見せ付けようとしたのでしょう。(…)」(「第二部 帝国擾乱」P276より) 神国崩壊―探偵府と四つの綺譚 (ミステリー・リーグ…

長谷川幸洋『日本国の正体 政治家・官僚・メディア――本当の権力者は誰か』(講談社)レビュー

日本国の正体 政治家・官僚・メディア――本当の権力者は誰か (現代プレミアブック)作者: 長谷川幸洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/01メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 164回この商品を含むブログ (30件) を見る 小泉政権末期から数々の審議会…

2009年上半期本格ミステリベスト5

今年は、上半期2008年11月〜2009年4月よりも、下半期がメインですな。もうすでに、いろいろ出てるし、三津田、柳の新作が待ってるし。読み逃した傑作佳作に、ベストテンで出会えるのを、期待しつつ…… 玻璃の家作者: 松本寛大出版社/メーカー: 講談社発売日: …