2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

深水黎一郎『大癋見(おおべしみ)警部の事件簿』(光文社)レビュー

大癋見(おおべしみ)警部の事件簿作者: 深水黎一郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2014/09/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る 21世紀本格のハナシが、面白かった。ネタのイジリ方における身の窶し方に余裕があるのかヤ…

藤崎翔『神様の裏の顔』(KADOKAWA)レビュー

神様の裏の顔作者: 藤崎翔出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2014/09/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 今年の横溝賞受賞作だけれども、私は支持するね。というか、こういう作品を顕彰するところに、横溝賞の、乱歩賞に対するカウンタ…

真保裕一『ダブル・フォールト』(集英社)レビュー

ダブル・フォールト作者: 真保裕一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/10/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る リーガル・サスペンスだけれども、語り口がいい。主人公の人物造形に飄々としたニュアンスを保たせて、彼に意想外の状況に遭…

大門剛明『テミスの求刑』(中央公論新社)レビュー

テミスの求刑作者: 大門剛明出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/08/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る リーガル・ミステリに強烈なツイストを加えて、展開は予断を許さず、ギミック構築も十二分に満喫できる出来映え。ただ、小説…

三津田信三『どこの家にも怖いものはいる』(中央公論新社)レビュー

どこの家にも怖いものはいる作者: 三津田信三出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/08/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る ホラーの定型的プロットは、日常を攪乱する表象をバラ撒いたうえで、さらに物語の結構それ自体を不条理な領…

2014年9月版

全部五つ星。マクロイのは、ニーチェがハイデガーを殺すような小説だったね。びっくり。『アレックス』は、今年のド本命だろう。こういう小説は、展開が荒っぽくなくてはイカンのです。ザッツ・スリラー。ケインのは、信頼できぬ語り手テーマを、実はさらに…

菅原和也『柩の中の狂騒』(KADOKAWA)レビュー

柩の中の狂騒 (単行本)作者: 菅原和也出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2014/08/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る ワタクシ的にはOK。クローズド・サークルテーマが、作者のやりたかったことと微妙に齟齬をきたしているのは…

鯨統一郎『オペラ座の美女  女子大生桜川東子(さくらがわはるこ)の推理 』(光文社)レビュー

オペラ座の美女 女子大生桜川東子(さくらがわはるこ)の推理作者: 鯨統一郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2014/08/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る サブカルネタのテンプレぶりが相変わらず愉しいシリーズ。今回はオ…

折原一『侵入者  自称小説家』(文藝春秋)レビュー

侵入者 自称小説家作者: 折原一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/09/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る もうホントに無茶というか無理筋を通すような物語展開なんだけれども、こうでなくっちゃ、だわね。マルチテキスト的構成が成…

東川篤哉『魔法使いと刑事たちの夏』(文藝春秋)レビュー

魔法使いと刑事たちの夏作者: 東川篤哉出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/07/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る いいんですよ、こういうことで。倒叙ミステリーの切れ味はじゅうぶん確保されているし、お約束のドタバタは反復ギャグ…