2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

道尾秀介『月と蟹』(文藝春秋)レビュー

月と蟹作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/09/14メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 174回この商品を含むブログ (76件) を見る 少年たちの負の感情の揺れを、濃やかに写しとって、サスペンスと小説の手ごたえを味わわせてくれるのはさす…

石持浅海『見えない復讐』(角川書店)レビュー

見えない復讐作者: 石持浅海出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2010/09メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (17件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 作者ならではの論理…

初野晴『空想オルガン』(角川書店)レビュー

空想オルガン作者: 初野晴出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/09/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 53回この商品を含むブログ (55件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッ…

笹本稜平『特異家出人』(小学館)レビュー

特異家出人作者: 笹本稜平出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/08/23メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 主人公の設定を上手く活かしていると思うけれども、どうもTVドラマ原作を読んでいるような気が。比較的展開にツイス…

西澤保彦『からくりがたり』(新潮社)レビュー

からくりがたり作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (14件) を見る 今年の西澤さんは、ちょいシュール。『こぼれおちる刻の汀』はどう評価していいか、ちょっと。ミステリ部…

内田樹『街場のメディア論』 (光文社新書)レビュー

街場のメディア論 (光文社新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/08/17メディア: 新書購入: 37人 クリック: 520回この商品を含むブログ (193件) を見る 内田樹の本は、どれも難しいことを言っているのだけれども、それでもベストセラーにな…

『デフレの正体  経済は「人口の波」で動く』 (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)作者: 藻谷 浩介出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/10メディア: 新書購入: 27人 クリック: 368回この商品を含むブログ (208件) を見る いやー、百聞は一見にし…

朝倉かすみ『声出していこう』(光文社)レビュー

声出していこう作者: 朝倉かすみ出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/08/19メディア: 単行本 クリック: 43回この商品を含むブログ (5件) を見る 作者が小説巧者であることは十二分に了解しているがゆえに、最近の作品は、才に任せて書き綴った感が強く、今…

皆川博子『少女外道』(文藝春秋)レビュー

少女外道作者: 皆川博子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (16件) を見る 御大だけれども、いまだ枯れず、文章の艶、妖しさは健在、どころか、悪意と善意、彼岸と此岸、現と幻のあわいを…

詠坂雄二『ドゥルシネーアの休日』(幻冬舎)レビュー

ドゥルシネーアの休日作者: 詠坂雄二出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2010/07/01メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (11件) を見る 警察小説的リアリズムを、どの位相で脱臼させていくか。脱構築、というよりかは脱臼と表現したほうが、作…

樋口有介『窓の外は向日葵の畑』(文藝春秋)レビュー

窓の外は向日葵の畑作者: 樋口有介出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/07メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る 物語の設定が設定なので、どういう展開になるのかと思っていましたが、普通でした。ということは、いつもの作…

大倉崇裕『小鳥を愛した容疑者』(講談社)レビュー

小鳥を愛した容疑者作者: 大倉崇裕出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/29メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 23回この商品を含むブログ (17件) を見る 探偵役のすっとぼけたキャラがイノチ。リハビリ警部の造型がデフォルメされていないもので…

加藤典洋『さようなら、ゴジラたち――戦後から遠く離れて』(岩波書店)

さようなら、ゴジラたち――戦後から遠く離れて作者: 加藤典洋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/07/29メディア: 単行本 クリック: 23回この商品を含むブログ (14件) を見る 九十年代後半のいわゆる『敗戦後論』論争は、ポストモダン左翼知識人が束になっ…

横関大『再会』(講談社)レビュー

再会作者: 横関大出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/08/06メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (20件) を見る まあ、まあまあ。選評を読むかぎり、選考委員が薀蓄小説を嫌ったということではないか。本作は、純粋にサスペンスを基調とし…

二階堂黎人『誘拐犯の不思議』(光文社)レビュー

誘拐犯の不思議作者: 二階堂黎人出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/07/17メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 なんだか80年…

七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』(東京創元社)レビュー

アルバトロスは羽ばたかない作者: 七河迦南出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/07/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (44件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション7 ト…