2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

仲正昌樹『日本とドイツ 二つの全体主義』(光文社新書) 『集中講義! 日本の現代思想』(NHKブックス)レビュー

日本とドイツ 二つの全体主義 「戦前思想」を書く (光文社新書)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/07/14メディア: 新書 クリック: 14回この商品を含むブログ (22件) を見る集中講義! 日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか (NHKブッ…

玉袋筋太郎『男子のための人生ルール』(理論社)レビュー

男子のための人生のルール作者: 玉袋筋太郎出版社/メーカー: 理論社発売日: 2006/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 88回この商品を含むブログ (52件) を見る 圧倒的大正論。100%賛同するね、オイラは。本文中、随所に出てくる下ネタは、奇をてらっ…

島田荘司『島田荘司のミステリー教室』(南雲堂)レビュー

島田荘司のミステリー教室 (SSKノベルス)作者: 島田荘司出版社/メーカー: 南雲堂発売日: 2007/01メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (22件) を見る 基本的に自身のウェブサイトで公開された文章を纏めたもの。だけれども、一番興味あったのは…

芦辺拓ほか『密室と奇蹟』(東京創元社)レビュー

密室と奇蹟 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー作者: 芦辺拓,加賀美雅之,小林泰三,桜庭一樹,田中啓文,柄刀一,鳥飼否宇,二階堂黎人出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/11/30メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (17件) を…

光浦靖子・大久保佳代子『不細工な友情』(幻冬舎)レビュー

不細工な友情作者: 光浦靖子,大久保佳代子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 34回この商品を含むブログ (65件) を見る 西村賢太のあとにこれ読むと、また格別の味わいがあるのです。三十路の女芸人の往復書簡集に…

西村賢太『暗渠の宿』(新潮社)レビュー

暗渠の宿作者: 西村賢太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (35件) を見る この「私小説」の“作者”のことをモノマニアックに規定することはとりあえず正しいとしても、葛西善蔵や嘉村礒多…

村崎友『たゆたいサニーデイズ』(角川書店)レビュー

たゆたいサニーデイズ作者: 村崎友出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/11メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (12件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス6 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル36 連作形式で試…

阿部和重『ミステリアス・セッティング』(朝日新聞社)レビュー

ミステリアスセッティング作者: 阿部和重出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (64件) を見る 「ケータイ小説」でなにをするか、“メディア”的自意識を取り入れたのは、この作者の意地と…

東野圭吾『使命と魂のリミット』(新潮社)レビュー

使命と魂のリミット作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/12/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (115件) を見る 作者の職人作家としての意地と力量を見せ付ける。ある種のモラリスティックな態度が“声高”なもの…

森達也『世界を信じるためのメソッド』(理論社)レビュー

世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー (よりみちパン!セ)作者: 森達也出版社/メーカー: 理論社発売日: 2006/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 104回この商品を含むブログ (82件) を見る 硬軟取り混ぜてと言うにしても、執筆…

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(NHKブックス) 広井良典『持続可能な福祉社会』(ちくま新書) 神野直彦・宮本太郎編『脱「格差社会」への戦略』(岩波書店)レビュー

所有と国家のゆくえ (NHKブックス)作者: 稲葉振一郎,立岩真也出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2006/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (57件) を見る 持続可能な福祉社会―「もうひとつの日本」の構想 (ちくま新…

第136回芥川・直木賞ブックメーカー

それでは、倍率ドン! 芥川賞候補作 倍率 青山七恵 「ひとり日和(びより)」×5 佐川光晴 「家族の肖像」×2 柴崎友香 「その街の今は」×5 田中慎弥 「図書準備室」×10 星野智幸 「植物診断室」×3 直木賞候補作 倍率 池井戸潤 「空飛ぶタイヤ」×5 荻原…

セオドア・ロスコー『死の相続』(原書房)レビュー

死の相続 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)作者: セオドアロスコー,Theodore Roscoe,横山啓明出版社/メーカー: 原書房発売日: 2006/10メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (28件) を見る 翻訳ものは老後の愉しみに、という禁を破って、…

佐々木譲『制服捜査』(新潮社)レビュー

制服捜査作者: 佐々木譲出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/03/23メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (38件) を見る 遅ればせながら読了。期待に違わぬ力作。主人公が“正義”の水位を維持しながらも、語り口レベルでクールさを崩さないの…

斉藤環『生き延びるためのラカン』(バジリコ)レビュー

生き延びるためのラカン (木星叢書)作者: 斎藤環出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 15人 クリック: 162回この商品を含むブログ (175件) を見る ラカン分からんアッケラカンというのは、いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』…

恩田陸『中庭の出来事』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ またどこかの中庭で、どこかの劇場でお会いいたしましょう。/(深くお辞儀し、こっそりと)/どう? こんなものでいいかしら?(P381より) 中庭の出来事作者: 恩田陸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/11/29メディア: 単行本購入: 1人…

三崎亜記『失われた町』(集英社)レビュー

失われた町作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/11/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (168件) を見る 「人‐間」としての“共感”の位相を、極限状況を設定して問うた力作。…………なんだけれども、そのセンでみた…

森見登美彦『きつねのはなし』(新潮社)レビュー

きつねのはなし作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/10/28メディア: 単行本購入: 21人 クリック: 602回この商品を含むブログ (280件) を見る 流麗かつ恬淡とした筆致で、異界・他界との水際を描きとめる。“交換”が介在する表題作よりも、“…

海堂尊『螺鈿迷宮』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ 「いいか、医学生、決して忘れてはいけないぞ。医学とはな、屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問なんだ、ということを」(P243より) 螺鈿迷宮作者: 海堂尊出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/11/30メディア: 単行本購…

柄刀一『時を巡る肖像』(実業之日本社)レビュー

本日のエピグラフ 鳥が歌うように 私は絵を描く……/(中略)/鳥が歌うのは、たぶん、それが宿命だからだ。(「モネの赤い睡蓮」P187より) 時を巡る肖像作者: 柄刀一出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2006/11/16メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4…