2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

鈴木邦男『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)レビュー

愛国者は信用できるか (講談社現代新書)作者: 鈴木邦男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/05/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (69件) を見る 本書にも引用されている、あまりにも有名なサミュエル・ジョンソンの格言、「愛…

斉藤貴男『分断される日本』(角川書店)レビュー

分断される日本作者: 斎藤貴男出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る 新自由主義、ネオリベラリズムについて、リバタリアニズムの法哲学研究者である森村進は『自由はどこまで可能か』のなかで、「リ…

荻原浩『押入れのちよ』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ かわいそうに。幽霊になってまで幸薄いなんて。(「押入れのちよ」P112より) 押入れのちよ作者: 荻原浩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/05/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (62件) を見る ミステ…

大倉祟裕『福家警部補の挨拶』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ 私の思いこみかもしれないが、君は最初から私を疑っていたようだった。(中略)君はいつ気づいたのかね?(「オッカムの剃刀」P134より) 福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)作者: 大倉崇裕出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/…

東川篤哉『殺意は必ず三度ある』(実業之日本社ジョイノベルズ)レビュー

本日のエピグラフ (前略)探偵というものは自分を卑下したがるものなのですよ。(中略)心の中では「自分こそMVP」と思っているんですから(P260〜261より) 殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)作者: 東川篤哉出版社/メーカー: 実業之日本社発売日:…

大山誠一郎『仮面幻双曲』(小学館)レビュー

本日のエピグラフ 死体を物扱いしてやがる。こいつもアプレゲールってやつか。(P137より) 仮面幻双曲 (小学館ミステリー21)作者: 大山誠一郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 34回この商品を含むブログ (35件…

草上仁『文章探偵』(早川書房)レビュー

本日のエピグラフ どうやらわたしが述べたいのは、こういうことだ。/本書の主人公の述懐を信じすぎてはいけない。(「あとがき」P381より) 文章探偵 (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 草上仁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/05メディア: 単行本 …

瀬名秀明『第九の日』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ 「しかし、ならば、個性(パーソナリティ) とはなんだ」/「(中略)それは神との関係なのですよ」(「第九の日」P311より) 第九の日 The Tragedy of Joy作者: 瀬名秀明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/06/21メディア: 単行本 クリッ…

島田荘司『溺れる人魚』(原書房)レビュー

本日のエピグラフ 遺伝子工学の領域は、まだ不明なことだらけなんだ。この先、何が起こるかなんて誰にも解らないよ(「耳の光る児」P244より) 溺れる人魚作者: 島田荘司出版社/メーカー: 原書房発売日: 2006/06メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を…

有栖川有栖『乱鴉の島』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ 火村は今、愚かだが純粋なものを破壊しているのだ。(P348より) 乱鴉の島作者: 有栖川有栖出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/06/21メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (150件) を見る ミステリアス9 アクロバット…

射逆裕二『殺してしまえば判らない』『情けは人の死を招く』(角川書店)レビュー

殺してしまえば判らない作者: 射逆裕二出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (21件) を見る ミステリアス7 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル36 情けは人の死を招く作者…

乙一『銃とチョコレート』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ たびをする父と母にさちあれ。(P374より) 銃とチョコレート (ミステリーランド)作者: 乙一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/05/31メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 76回この商品を含むブログ (319件) を見る ミステリアス7 ア…

風景論

2006年上半期本格ベストに、三津田信三『厭魅の如き憑くもの』と森谷明子『七姫幻想』を上位二作として挙げたのは、率直に面白かったためで、決して萌えだからではありません。と言っているうちに小森健太朗『魔夢十夜』も出てきて、こりゃいったいどー…

三浦展『「自由な時代」の「不安な自分」 消費社会の脱神話化』(晶文社)レビュー

「自由な時代」の「不安な自分」―消費社会の脱神話化作者: 三浦展出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2006/06/09メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (12件) を見る いわずもがなのベストセラー『下流社会』で、その統計データの解釈が恣意的…

第135回芥川賞・直木賞ブックメーカー

それでは、倍率ドン! 作者名 ・題名倍率 伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」(文學界六月号) ×5 鹿島田真希「ナンバーワン・コンストラクション」(新潮一月号) ×2 島本理生「大きな熊が来る前に、おやすみ。」(新潮一月号)×3 中原昌也「点滅……」(新…

大崎梢『配達あかずきん』(東京創元社)レビュー

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)作者: 大崎梢出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/05/20メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 40回この商品を含むブログ (164件) を見る ミステリアス7 アクロバット7 サスペンス6 アレゴリカル6 イ…

山田正紀『翼とざして アリスの国の不思議』(光文社カッパノベルス)レビュー

翼とざして アリスの国の不思議 (カッパ・ノベルス)作者: 山田正紀出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/05/20メディア: 新書この商品を含むブログ (19件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル3…

竹本健治『狂い咲く薔薇を君に 牧場智久の雑役』(光文社カッパノベルス)レビュー

狂い咲く薔薇を君に 牧場智久の雑役 (カッパ・ノベルス)作者: 竹本健治出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/04/20メディア: 新書この商品を含むブログ (32件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス6 アレゴリカル6 インプレッション7 トータ…

島田荘司『帝都衛星軌道』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ ところが東京はというと、みんな衛星軌道なんです。(P331より、傍点強調部省略) 帝都衛星軌道作者: 島田荘司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/05/26メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (46件) を見る ミステリア…

我孫子武丸、有栖川有栖、霧舎巧、貫井徳郎、法月綸太郎、麻耶雄嵩『気分は名探偵』(徳間書店)レビュー

気分は名探偵―犯人当てアンソロジー作者: 我孫子武丸,霧舎巧,貫井徳郎,法月綸太郎,有栖川有栖,麻耶雄嵩出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (67件) を見る 巻末覆面座談会でも言及されて…