2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

真梨幸子『5人のジュンコ』(徳間書店)レビュー

5人のジュンコ作者: 真梨幸子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2014/12/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 現代の悪女ものは、ミステリアスな存在性を印象付けるというより、アモルファスな悪意が醸し出す強烈さで勝負しているようだ。…

小島正樹『呪い殺しの村』(双葉社)レビュー

呪い殺しの村作者: 小島正樹出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2015/02/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る ミステリアス8 アクロバット9 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル39 作者の講談社ノベルズのシリーズの…

叛乱のクロニクル

直木賞作家の船戸与一さん 死去 NHK 4月22日 15時17分 「砂のクロニクル」や「虹の谷の五月」などの冒険小説で知られる直木賞作家の船戸与一さんが22日未明、胸腺がんのため都内の病院で亡くなりました。71歳でした。船戸さんは山口県下関市出身で、…

岡本裕一朗『フランス現代思想史 - 構造主義からデリダ以後へ 』 (中公新書) レビュー

フランス現代思想史 - 構造主義からデリダ以後へ (中公新書)作者: 岡本裕一朗出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2015/01/23メディア: 新書この商品を含むブログ (24件) を見る 中公新書でフランクフルターの来歴を閲したと思ったら、今度はフランスの「…

道尾秀介『透明カメレオン』(KADOKAWA)レビュー

透明カメレオン作者: 道尾秀介出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2015/01/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る 作者の作風を十全に展開した味があるが、実は新たな領域に歩を進めたような感じを持った。作者がミステリアスなもの…

2015年3月版

あれ、パレツキーの新作は、ファン以外にも訴求すると思うけれども、あんまり話題になってないなー。テーマは超重量級だぜ。アメリカにおける政治的なものと徹底的に対決する姿勢の猛々しさに拍手。フランシスも、息子の意地を見せて、親父のとは一線を画し…

河合莞爾『粗忽長屋の殺人(ひとごろし) 』(光文社)レビュー

粗忽長屋の殺人(ひとごろし)作者: 河合莞爾出版社/メーカー: 光文社発売日: 2015/02/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る 作者の新境地、というより、手数を示してきた感があるが、こちらの期待した方向性とはやや違った。…

麻見和史『警視庁文書捜査官』(KADOKAWA)レビュー

警視庁文書捜査官作者: 麻見和史出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2015/01/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る なにやら意味ありげな部署に配属されたふたりの刑事が遭遇する奇怪な連続殺人。事件自体のトリッキーさに作者の持…

西川美和『永い言い訳』(文藝春秋)レビュー

永い言い訳作者: 西川美和出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/02/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (24件) を見る 読み応えはある。ただ、作者の近年の作品にも言えるけれども、小説構築の手法の探求が、技巧のレベルに留まっていて、かえってカ…