2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

e‐NOVELS編『川に死体のある風景』(東京創元社)レビュー

川に死体のある風景 (創元クライム・クラブ)作者: 綾辻行人,有栖川有栖,歌野晶午,大倉崇裕,佳多山大地,黒田研二出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/05/27メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 6回この商品を含むブログ (37件) を見る 歌野晶午…

小森健太朗『魔夢十夜』(原書房)レビュー

魔夢十夜 (ミステリー・リーグ)作者: 小森健太朗出版社/メーカー: 原書房発売日: 2006/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (19件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 …

秋月涼介『消えた探偵』(講談社ノベルズ)レビュー

本日のエピグラフ (前略)きみにだけしか体験できない妄想――すなわち、ある種の神経症と断定する方が世界は安定する。(P163より) 消えた探偵 (講談社ノベルス)作者: 秋月涼介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/02/07メディア: 新書 クリック: 6回この…

森博嗣『有限と微小のパン』(講談社文庫)レビュー

本日のエピグラフ 「貴女は、貴女から生まれ、貴女は、貴女です」犀川は答える。「そして、どこへも行かない」(ノベルズ版P580より) 有限と微小のパン (講談社文庫)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/11/15メディア: 文庫購入: 3人 クリ…

森博嗣『幻惑の死と使途』(講談社文庫)レビュー

幻惑の死と使途 (講談社文庫)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/11/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (157件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル8 インプレッション7 トータル…

森博嗣『封印再度』(講談社文庫)レビュー

本日のエピグラフ あのような、己を殺した生き方が本当にできるものか、と思いもいたしました。(ノベルズ版P362より) 封印再度 (講談社文庫)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/03/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 23回この商品を含…

柳広司『シートン(探偵)動物記』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ 彼はいまも、(中略)この世界をオオカミの側から眺めているに違いなかった。シートン氏の目に、いま、この世界はいったいどう映っているのだろうか?(P50より) シートン(探偵)動物記作者: 柳広司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/05/…

黒田研二『カンニング少女』(文藝春秋)レビュー

カンニング少女作者: 黒田研二出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04メディア: 単行本 クリック: 26回この商品を含むブログ (65件) を見る ミステリアス6 アクロバット6 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル35 各ミステリベス…

筒井康隆『壊れかた指南』(文藝春秋)レビュー

本日のエピグラフ (前略)面白い部分のみ発表すればよい。小説に結末がなければいけないという法律はないのだ。(「稲荷の紋三郎」P72より) 壊れかた指南作者: 筒井康隆出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04/26メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 10…

岸田るり子『出口のない部屋』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ (前略)他人の存在が地獄ってわけだ。あんたたちが僕にとっての地獄。それが永遠に続くってことなんだ。(P161より) 出口のない部屋 (ミステリ・フロンティア)作者: 岸田るり子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/04/22メディア: …

思わせぶりなアイロニスト

第6回本格ミステリ大賞の投票が、『ジャーロ』第24号(2006,SUMMER)にて公開されましたが、斉藤肇のコメントがないのです。棄権したのか、うーん残念だなあ。『弥勒の掌』が候補にならなかったからなのかも。…………私は今回はどの候補作が受賞しても、“大賞”の…

鯨統一郎『KAIKETU! 赤頭巾侍』(徳間書店)レビュー

KAIKETSU!赤頭巾侍作者: 鯨統一郎出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/02メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (18件) を見る ミステリアス7 アクロバット6 サスペンス6 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル33 における“戯作…

北森鴻『深淵のガランス』(文藝春秋)レビュー

本日のエピグラフ (前略)けれど真偽を超えたところに存在する価値観、言葉にするにはあまりに直感的な正義、そうしたものが厳然と己の胸中にあることを、佐月は知っている。(P208より) 深淵のガランス作者: 北森鴻出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006…

小路幸也『東京バンドワゴン』(集英社)レビュー

東京バンドワゴン (1)作者: 小路幸也出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/04/26メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (117件) を見る ミステリアス7 アクロバット6 サスペンス6 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル34 北村エ…

道尾秀介『骸の爪』(幻冬舎)レビュー

骸の爪作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/03メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (69件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 ホラーサスペンス大賞特別…

北森鴻『ぶぶ漬け伝説の謎』(光文社)レビュー

ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー作者: 北森鴻出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/04/20メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 13回この商品を含むブログ (28件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル6 インプレッシ…

柳広司『トーキョー・プリズン』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ すると、本当は良心などではなく、民主主義こそがあんたたちに戦争を許し、人を殺すことを許したわけだ。(P177より) トーキョー・プリズン作者: 柳広司出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/03メディア: 単行本 クリック: 6回この商…

いしいひさいち『大問題’06』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ HがヒトNがニワトリを表し、『ヒト』の数の多いほど毒性が強いのです。/ところが! もっと毒性の強いウイルスが確認されました。――H5N1G1型ウイルス(P177より) 大問題'06 (創元ライブラリ)作者: いしいひさいち,峯正澄出版社/…

宮脇俊三『殺意の風景』(光文社文庫)レビュー

本日のエピグラフ 推理小説の読みすぎではないか、彼は。(「第十三話 硬玉産地の巻」P169より) 殺意の風景 (光文社文庫)作者: 宮脇俊三出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/05/11メディア: 文庫 クリック: 24回この商品を含むブログ (8件) を見る ミス…

「世界の終わり」の終わらない風景

『ヨコハマ買い出し紀行』が終わってしまった。のである。 実は、この作品からいつの間にか遠ざかったままで、たまたま『アフタヌーン』を久しぶりに手にとって、アルファさんに再会しようと思ったら、いきなり番外編が載っていたので、コトの次第を知ったわ…

仲正昌樹『「分かりやすさ」の罠――アイロニカルな批評宣言』(ちくま新書)レビュー

「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言 (ちくま新書)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/05メディア: 新書購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (52件) を見る ポストモダン思潮をきっちり分節化して説明して、“大衆”を啓…

FM NACK5「鬼玉」スタッフ責任編集 『マル決本』

本日のエピグラフ 豪華な何か分からない建物はだいたいがラブホかパチンコ屋である。 マル決本作者: FM NACK5「鬼玉」スタッフ責任編集出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2006/03/03メディア: 単行本 クリック: 58回この商品を含むブログ (20件)…

“容疑者”Xの再審

今回の文章は、『容疑者Xの献身』の内容に触れております。未読の方はご注意下さい。 『ミステリマガジン』7月号をパラ読みしてみると、まだやってましたね『X』をめぐる論争が。先月号で、二階堂黎人の再反論が掲載されていたので、ひとまず仕切り直しと…