2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大沢在昌『欧亜純白 ユーラシアホワイト I ・II 』 (集英社)レビュー

欧亜純白 1 ユーラシアホワイト作者: 大沢在昌出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/12/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (7件) を見る欧亜純白 2 ユーラシアホワイト作者: 大沢在昌出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/12/…

幕内秀夫『変な給食』(ブックマン社)レビュー

変な給食作者: 幕内秀夫出版社/メーカー: ブックマン社発売日: 2009/12/05メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 286回この商品を含むブログ (20件) を見る あはは、いちばん笑えたのは、「その5 寂しい貧乏給食」。飽食の時代なんだかまだ…

小島達矢『ベンハムの独楽』(新潮社)レビュー

ベンハムの独楽作者: 小島達矢出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (15件) を見る 荻原浩の選考の回だったので、今年の新潮エンタ賞はフォロー。奇妙な味系と、ミステリ的プロットを持った…

篠田真由美『閉ざされて』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ でも、わたしは踏み出せない。/醜くなくなった自分がどこへ向かって歩き出すのか、そのことをなにひとつ考えていなかった愚かさに気づかされて、呆然と立ち尽くす――(P91より) 閉ざされて作者: 篠田真由美出版社/メーカー: 角川書店(角…

岸田るり子『Fの悲劇』(徳間書店)レビュー

Fの悲劇作者: 岸田るり子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2010/01/21メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル8 インプレッション7 トータル39 現在と過去の往還、…

逢坂剛『兇弾』(文藝春秋)レビュー

兇弾作者: 逢坂剛出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/01メディア: 単行本 クリック: 27回この商品を含むブログ (10件) を見る いいのか、この表紙カバー絵は(笑)。禿鷹の後始末が、ド派手に展開される。思わせぶりな修辞なく、否応なく読者を物語に引き…

新井素子『もいちどあなたにあいたいな』(新潮社)レビュー

もいちどあなたにあいたいな作者: 新井素子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 76回この商品を含むブログ (32件) を見る 心理的なサスペンスをSF的回路を通して描くのに、この文体は合っているのかも。というか、…

湊かなえ『Nのために』(東京創元社)レビュー

Nのために作者: 湊かなえ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/01/27メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 71回この商品を含むブログ (83件) を見る ある事件が、それぞれの“出来事”として結晶化するまでのプロセスを描いた。悲劇とはまた違う微妙なニュ…

式田ティエン『湘南ノート』(宝島社)レビュー

湘南ノート作者: 式田ティエン出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/10/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 連作短編集形式だけれども、個々の短編に趣向が凝らされバラエティもあるので、連作的な縛りがなくても愉しめたと思う。後半三作…

中山七里『さよならドビュッシー』(宝島社)レビュー

さよならドビュッシー作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2010/01/08メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 52回この商品を含むブログ (55件) を見る 音楽ミステリー的重厚さとは一線を画す。いい意味でも悪い意味でも劇画調だが、たぶんそれゆえ…

太朗想史郎『トギオ』(宝島社)レビュー

トギオ作者: 太朗想史郎出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2010/01/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (21件) を見る 今年のこのミス大賞は、作家のみで構成された選考会では間違いなく選外に去っただろう作品が受賞した、とい…

瀬川松子『亡国の中学受験 公立不信ビジネスの実態』 (光文社新書) レビュー

亡国の中学受験 (光文社新書)作者: 瀬川松子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/11/17メディア: 新書購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (18件) を見る 「公立不信ビジネス」とはよくぞいったり。少子化で影響受けるのは、社会人を受け入れられ…

東野圭吾『カッコウの卵は誰のもの』(光文社)レビュー

カッコウの卵は誰のもの作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/01/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 70回この商品を含むブログ (91件) を見る 旧作復活。こういうのって、いかにも作者っぽいなあ、と思う。サスペンスの醸成の仕方と、ス…

石持浅海『君がいなくても平気』 (光文社カッパ・ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ 今までだって、決して論理的ではなかった。自分がやったのは、思いつきを証明する努力だ。しかしここからは、さらに発想を飛躍させる必要がある。(…)(P222より) 君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)作者: 石持浅海出版社/メーカー: …

保科昌彦『ウィズ・ユー 若槻調査事務所の事件ファイル』(東京創元社)レビュー

ウィズ・ユー (若槻調査事務所の事件ファイル) (ミステリ・フロンティア)作者: 保科昌彦出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/12/19メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 樋口有介の柚木草平シリーズにタメを張れそうなシリ…

恩田陸『私の家では何も起こらない』(メディアファクトリー)レビュー

私の家では何も起こらない (幽BOOKS)作者: 恩田陸出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2010/01/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (62件) を見る なんというか、ユーレイですけど、それが何か? って感じの本だった…

小田雅久仁『増大派に告ぐ』(新潮社)レビュー

増大派に告ぐ作者: 小田雅久仁出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (25件) を見る 「増大派」ってのがいいですね。このコトバで、現在的な被害妄想の様々なカタチが、一気に収斂する。…

ロベルト・エスポジト『近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治 』 (講談社選書メチエ)レビュー

近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治 (講談社選書メチエ)作者: ロベルト・エスポジト,岡田温司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/10/09メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 61回この商品を含むブログ (19件) を見る アガンベン、ネグリを左右に見つつ…

東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)レビュー

クォンタム・ファミリーズ作者: 東浩紀出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/12/18メディア: 単行本購入: 61人 クリック: 1,937回この商品を含むブログ (198件) を見る クライマックスの逆転劇に思わずウマイ!って言ってしまいました。そう、「世代は続くの…

津原泰水『バレエ・メカニック』(早川書房)レビュー

バレエ・メカニック (想像力の文学)作者: 津原泰水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/09メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 64回この商品を含むブログ (44件) を見る イメージの奔流に、理詰めで陰影を与えたという感じ。とっつきがいいほうではない…