2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

両角長彦『ラガド 煉獄の教室』(光文社)レビュー

ラガド 煉獄の教室作者: 両角長彦出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/02/19メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る 基本的にバカミス? ですよね。サスペンスフルではあるんですけれども、広げた風呂…

梓崎優『叫びと祈り』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ ――分かってないな。ファンタジーってのは、現実が何かの拍子に少し姿を変えて見せた表情なんだ。それが世界のルールさ。(「白い巨人」P73より) 叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)作者: 梓崎優出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 201…

柴田よしき『竜の涙 ばんざい屋の夜』(祥伝社)レビュー

竜の涙 ばんざい屋の夜作者: 柴田よしき出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2010/02/09メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (10件) を見る ばんざい屋も、店仕舞い。思いのすれ違いや屈託、不安や戸惑いのあらやこれやを、小料理の寓意に託して…

柴田よしき『いつか響く足音』(新潮社)レビュー

いつか響く足音作者: 柴田よしき出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/20メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る 荒廃するニュータウン団地というアクチュアルな舞台が用意されれば、熟練の作者ならば、かような物語を紡ぎだす…

朱川湊人『太陽の村』(小学館)レビュー

太陽の村作者: 朱川湊人出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/01/28メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (15件) を見る 面白いおもしろい。状況の設定よりも、話の動かし方、どう収束させるのかわからないところが、読み手の興味を引き付け…

福田和代『プロメテウス・トラップ 』(早川書房)レビュー

プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 福田和代出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/02/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 33回この商品を含むブログ (21件) を見る 作者の今までのもののなかでは、いちばんとっつきやすい。た…

佐々木譲『北帰行』(角川書店)レビュー

北帰行作者: 佐々木譲出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/01/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (10件) を見る 久しぶりのクライムノベル。復讐と抗争と逃亡の重畳するドラマを、物語の厚み…

今野敏『天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊』(朝日新聞出版)レビュー

天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊作者: 今野敏出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/02/05メディア: 単行本 クリック: 23回この商品を含むブログ (9件) を見る 満足です。堂々とエンターテインメントの王道を行っています。報道関係者の視点も取り入れて、…

永嶋恵美『W――二つの夏』(講談社)レビュー

W――二つの夏作者: 永嶋恵美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/02メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る 語り手の少女たちをはじめとする若い登場人物たちの肖像がくっきり浮かび上がってくるぶん、作為的な構成が一般読者…

鳥飼否宇『このどしゃぶりに日向小町は』(早川書房)レビュー

このどしゃぶりに日向小町は (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 鳥飼否宇出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (8件) を見る 独壇場。すごいと思ったのは、うまくおさまりのよいところにおさまった…

三木笙子『世界記憶コンクール』(東京創元社)レビュー

世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)作者: 三木笙子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/12/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (15件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 イン…

石持浅海『リスの窒息』(朝日新聞出版)レビュー

リスの窒息作者: 石持浅海出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/02/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (26件) を見る ディスカッションが醸し出すサスペンスを、そのまま動的展開につなげようとした意欲が見られて、作…

小島正樹『扼殺のロンド』(原書房)レビュー

本日のエピグラフ 「名探偵を前にして緊張するのは解ります。けれどまあ落ち着いて」/(…)/「さあご依頼を!」(P228より) 扼殺のロンド (ミステリー・リーグ)作者: 小島正樹出版社/メーカー: 原書房発売日: 2010/01/25メディア: 単行本 クリック: 94回…

ヘンな間取り研究会『ヘンな間取り』(イースト・プレス)

ヘンな間取り作者: ヘンな間取り研究会出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2010/02/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 80回この商品を含むブログ (16件) を見る 間取り図の原稿の不正確さの故か、それとも実際にそうなのか。パ…

柄刀一『モノクロームの13手 』(祥伝社)レビュー

モノクロームの13手作者: 柄刀一出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2010/02/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (7件) を見る もしかしたら、作者にとっての純文学なのかも。小説としてのアプローチがまっすぐすぎるのが難。とい…

『著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」 』(集英社新書)

著作権の世紀 ――変わる「情報の独占制度」 (集英社新書)作者: 福井健策出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/01/15メディア: 新書購入: 7人 クリック: 253回この商品を含むブログ (48件) を見る 情報は「独占」に向かない。一度現れた情報は、無際限に複製さ…

松尾スズキ『老人賭博』(文藝春秋)レビュー

老人賭博作者: 松尾スズキ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/01/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 65回この商品を含むブログ (59件) を見る 劇作家としての、話運びの間合いの取り方の上手さ、というのが、文学っぽさをネグってるんだよね。だけ…

内田樹『邪悪なものの鎮め方』(バジリコ)レビュー

邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)作者: 内田樹出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2010/01/23メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 165回この商品を含むブログ (52件) を見る 「私家版・日本文化論」たる『日本辺境論』が、「学び」における先…