2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大山誠一郎『赤い博物館』(文藝春秋)レビュー

赤い博物館作者: 大山誠一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/09/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る 警察小説の型を借りて本格ミステリを書く場合、作中で扱われている警察機構自体に何らかのギミックを仕掛けないと、納まりが悪く…

2015年9月版

『その罪』は、ドラマ作りの確かさでぐいぐい読ませる。訴求力を持たせるような物語の構築性が、鼻白むという人もいるだろうが、小説としての厚みを獲得したことも確かなことだ。同じ法廷ものでも『弁血』は破れかぶれ感がとっても心地いい(笑)。設定が設定…

河合莞爾『救済のゲーム』(新潮社)レビュー

救済のゲーム作者: 河合莞爾出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 推薦文を寄せているのが本格プロパーの人ではないので、本格ファンには訴求していないのかもしれないが、物語性と構築性を兼ね備え…

深木章子『ミネルヴァの報復』(原書房)レビュー

ミネルヴァの報復 (ミステリー・リーグ)作者: 深木章子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2015/08/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 作者の新キャラクターの第二弾だが、予断を許さぬ展開がサスペンスを醸し出すとともに、重層的なギミッ…

深木章子『交換殺人はいかが? じいじと樹来(じゅらい)とミステリー』(光文社)レビュー

交換殺人はいかが? じいじと樹来(じゅらい)とミステリー作者: 深木章子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2015/06/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る いやー、何というか、このホンモノ感。“本格”を読んだって感じさせ…