2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大門剛明『この雨が上がる頃』(光文社)レビュー

この雨が上がる頃作者: 大門剛明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2013/12/14メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る いいぞいいぞ。初期の小杉健治を彷彿とさせる、社会派トリッキーミステリ短編集。いやはや、ギミックの利かせ方が、…

中山七里『追憶の夜想曲』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ (…)家の中に家族がいても見えない。話しているはずなのに声が届かない。同じものを見ているはずなのに皆が違うものを見ている。(p.88) 追憶の夜想曲作者: 中山七里出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/21メディア: 単行本この商品を含…

石崎幸二『鏡の城の美女』(講談社ノベルス)レビュー

鏡の城の美女 (講談社ノベルス)作者: 石崎幸二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/07メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る ミステリアス8 アクロバット9 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル39 うん、じゅうぶん…

霞流一『奇動捜査 ウルフォース』(祥伝社ノン・ノベル)レビュー

奇動捜査 ウルフォース (ノン・ノベル)作者: 霞流一出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/10/29メディア: 新書この商品を含むブログを見る いやまさに「超警察小説」ですね。ハメの外し方は期待通りとして、それにしても、カーにおけるオカルティズムが、作…

西條奈加『いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記』(東京創元社)レビュー

いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記)作者: 西條奈加出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/11/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る 前作の連作集とは打って変わって、本作は長編。なんというか、こういうかたちの社会派もあったの…

佐藤健志『僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された』(祥伝社)レビュー

僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された作者: 佐藤健志出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/12/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る ついこの前までは、この国を言い様のない逼塞感が覆っていたよう…

蒼井上鷹『「幽霊」が隣で聞いている』(祥伝社)レビュー

「幽霊」が隣で聞いている作者: 蒼井上鷹出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/10/29メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る かなり手の込んだギミックを仕掛ける作者のワザの切れは、本作でも味わえる。期待のハードルは、越えてくれ…

相沢沙呼『卯月の雪のレター・レター』(東京創元社)レビュー

卯月の雪のレター・レター作者: 相沢沙呼出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/11/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見る 日常の謎系にファンタスティックな空気を醸成させる作者の作風は確立して、この小説世界を求める読者も増えてい…

2013年12月版

ディーヴァーの新作はダンスもので、まあ分厚い本が疾走感を持って読み進められることといったら、相変わらず。しかし、現在のアメリカの困難な“情況”を、様々に読まされた一年だった気がする。ル・カレは、まったくもって、シブい。このシブさに、対テロ戦…

2013年下半期本格ミステリベスト5

2013年下半期(2013年5月〜10月)、本格でも非本格でも目ぼしいタマがなかったと言われるけれども、いやいやきっちりと収穫はありましたですよ。基本的に、気に入った本しか取り上げないつもりでいたら、エントリを上げる回数がめっきり減ってイカンなー、…

前田司郎『ジ、エクストリーム、スキヤキ』(集英社)レビュー

ジ、エクストリーム、スキヤキ作者: 前田司郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/10/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見る ミステリ界がパッとしない年だったので、純文方面へ久しぶりに、ちと浮気。映画化というPRに特につられたワケ…

福田栄一『春の駒 鷺澤家四季』(東京創元社)レビュー

春の駒 鷺澤家四季 (ミステリ・フロンティア)作者: 福田栄一出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/06/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 意識的に日常の謎系の連作を執筆したのだろうけれども、かえって作者の素の小説の上手さが際立…

平石貴樹『松谷警部と目黒の雨』(創元推理文庫)レビュー

松谷警部と目黒の雨 (創元推理文庫)作者: 平石貴樹出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/09/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 作者の復…

第1位 葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者: 歌野晶午出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/05/01メディア: 文庫購入: 40人 クリック: 204回この商品を含むブログ (369件) を見る 第2位 厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)作者: 三津田信三出版社…