2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

本城雅人『ノーバディノウズ』(文藝春秋)レビュー

ノーバディノウズ作者: 本城雅人出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/08メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (6件) を見る 『アダマースの饗宴』と最後まで清張賞を争った作品。どっちをとるかは、ほとんど好みの問題だと思う。アメリカ…

歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0 』(講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ (…)しかしこのトリックを使うとゲーム参加者の度肝を抜くことができるが警察によって犯人と特定される可能性が高い場合、自分はどういう選択をするだろうか(…)(P274より) 密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)作者: 歌野晶午出版社…

海老原嗣生『雇用の常識「本当に見えるウソ」』 (プレジデント社)

雇用の常識「本当に見えるウソ」作者: 海老原嗣生出版社/メーカー: プレジデント社発売日: 2009/05/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 23人 クリック: 310回この商品を含むブログ (29件) を見る 文系、というより非理系であるワタクシめが、統計デー…

はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の冒険 フランス陽炎村事件 』(講談社ノベルス)レビュー

少年名探偵 虹北恭助の冒険 フランス陽炎村事件 (講談社ノベルス ハD- 5)作者: はやみねかおる出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/08/20メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (16件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 …

大村友貴美『霧の塔の殺人』(角川書店)レビュー

霧の塔の殺人作者: 大村友貴美出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/09/19メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る 三作目にして、書きっぷりが堂々としている頼もしさ。ある意味、奥田英朗『無理』…

有田哲文 畑中徹『ゆうちょ銀行 民営郵政の罪と罰』(東洋経済新報社)レビュー

ゆうちょ銀行作者: 有田哲文/畑中徹出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2007/09/07メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 39回この商品を含むブログ (5件) を見る 2005年の「郵政選挙」のとき、「八年以内に残高を半減させる」という郵政リス…

大崎梢『ねずみ石』(光文社)レビュー

ねずみ石作者: 大崎梢出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/09/18メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 7回この商品を含むブログ (23件) を見る 作者のこれまでの作品のなかでは、個人的にいちばんいいと思う。郊外化する片田舎の現状をおさえつつ、…

奥田英朗『無理』(文藝春秋)レビュー

無理作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/09/29メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 43回この商品を含むブログ (72件) を見る 作者は、ストーリーに頼っていないと、この小説のことをいう。果たして、小説が、“現実”を凝縮して、現在的状…

西澤保彦『身代わり』(幻冬舎)レビュー

本日のエピグラフ 「(…)あたしにとってだいじなのは、この世のなかの、なんでもいい、なにかひとつでもいい、自由自在に操れる能力があるか否かなんだ、って」(P110より) 身代わり作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/09/01メディア: ハ…

リチャード・クー, 村山 昇作『世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか 』(徳間書店)レビュー

世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか作者: リチャードクー,村山昇作,Richard C. Koo出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2009/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見る 先日、某フリーター氏が週刊…

今野敏『凍土の密約』(文藝春秋)レビュー

凍土の密約作者: 今野敏出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/09/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (8件) を見る 近年高い評判をとっている作者の警察小説には、正直いって違和感があり、どうにもその小説世界にのめり込め…

北山猛邦『密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ 「一流というが、どれくらいすごいのかね?」/「それはもう、一言も喋らずに、ただ黙っていても犯人を告発することが可能です」(「停電から夜明けまで」P184より) 密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿作者: 北山猛邦出版…

柴田よしき『流星さがし』(光文社)レビュー

流星さがし作者: 柴田よしき出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/08/20メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (8件) を見る この作品の前日譚にあたるものはまだ未読。本作のみをとってみれば、若きイソベンの奮闘記として、また作者の人間に…

曽根圭介『図地反転』(講談社)レビュー

図地反転作者: 曽根圭介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/05メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (12件) を見る 時節柄、タイムリーな出版となった。終幕への方向性は予想がつきそうなものの、それでもサスペンス、物語がどのように…

原武史・編『「政治思想」の現在』(河出書房新社)レビュー

「政治思想」の現在作者: 原武史出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/06/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る いかにも、というような取り合わせ。収録されている文章のうちで、重要なのは、巻末の二編、北…

東野圭吾『新参者』(講談社)レビュー

新参者作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/18メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 153回この商品を含むブログ (225件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル8 インプレッション8 トータル39 足掛け五年…

藤木稟『バチカン奇跡調査官 Truth2 サタンの裁き 』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ 「(…)修道僧達は、いかにすれば神に近づけるかを真面目に追究した結果、神の創造物である人間の体と精神の研究にのめり込んでいったのさ。熱情的な信仰は、時に罪深いものになる。(…)」(P284より) バチカン奇跡調査官 Truth2 サタンの…

東川篤哉『ここに死体を捨てないでください! 』(光文社)レビュー

ここに死体を捨てないでください!作者: 東川篤哉出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/08/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 77回この商品を含むブログ (34件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 イン…

北村薫『元気でいてよ、R2-D2。』(集英社)レビュー

元気でいてよ、R2-D2。作者: 北村薫出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/08/26メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (27件) を見る 日常の謎から、日常の不安へ、という線。作者の文体からはかけ離れているけれども、やっぱり、乱歩、久作の…

千澤のり子『マーダーゲーム 』(講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ 「(…)例えば、自分の苦手なをスケープゴートにした場合、それを犯人役になった人に、自分の代わりにことで、弱点を克服できるかもしれない。(…)」(P15より) マーダーゲーム (講談社ノベルス)作者: 千澤のり子出版社/メーカー: 講談社発…

藤岡真『七つ星の首斬人』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ 「首斬人というのは、あくまでも言葉の綾です。つまり、未知のエネルギーのことなんですよ。(…)」(P65より) 七つ星の首斬人 (創元クライム・クラブ)作者: 藤岡真出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/07/29メディア: 単行本 クリッ…