2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2012年1月版

当ブログは国内ミステリがメインですが、今月から、その月に読んだ翻訳ミステリの中から目ぼしいものを3作程度、コメントレスでまとめてフォローします。ずいぶんの間、翻訳ものはベストテンで挙がったもののなかから、目に付いたものをフォローしていた状…

松尾由美『煙とサクランボ』(光文社)レビュー

煙とサクランボ作者: 松尾由美出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/11/18メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 56回この商品を含むブログを見る 設定がこの作者らしい、と思って読み進めていると、クライマックスで、そういうことだったのか、と。幽…

法月綸太郎『キングを探せ』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ 「細かいことを言うなよ。チェスでも将棋でも、最終的な目標は敵の王を詰めることだ。四人目の共犯者というより、キングと呼んだ方が張り合いがある」(p.201) キングを探せ (特別書き下ろし)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日…

吉本佳生『日本経済の奇妙な常識』(講談社現代新書)レビュー

日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)作者: 吉本佳生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/10/18メディア: 新書 クリック: 11回この商品を含むブログ (13件) を見る 昨年2011年の経済書の個人的ベストはこの本。タイトルが、いかにもという感じなので、ス…

2011年下半期本格ミステリベスト5

年がだいぶ明けてから振り返るのもなんですが、2011年は下半期(5月〜10月)も豊穣でした。『謎ディナ』200万人近くの読者の一割が本格ミステリに目覚めたとしても、20万人。本格の創作コストは高くつくけれども、それが報われる小説市場であってほし…

恩田陸『夢違』(角川書店)レビュー

夢違作者: 恩田陸出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/11/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 26回この商品を含むブログ (59件) を見る これで直木賞ムリだったら、やっぱり文春本でなきゃあげないよーってことなのかね…

中山七里『要介護探偵の事件簿』(宝島社)レビュー

要介護探偵の事件簿作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/10/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (15件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル38 デビュー作…

石持浅海『彼女が追ってくる』(祥伝社ノン・ノベル)レビュー

本日のエピグラフ この世で最も質が悪いのは、頭がいいのにポリシーのない奴だ。(…)有罪か、無罪かどちらかにしてもらわないと、こちらも対応がしにくいではないか。(p.138) 彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)作者: 石持浅海出版社/メーカー: 祥伝社発売…

香納諒一『心に雹の降りしきる』(双葉社)レビュー

心に雹の降りしきる作者: 香納諒一出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/09/21メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 『このミス』ベスト10入りの新作はまだ未読だった。冒頭、主人公のダメ刑事のプロフィールが駆け足で紹介さ…

津原泰水『11 eleven』(河出書房新社)レビュー

11 eleven作者: 津原泰水出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/06/16メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 433回この商品を含むブログ (27件) を見る いやー、これを上げるのを、すっかり忘れていましたね。バラエティに富んでいるから、高品質な短編…

北森鴻 浅野里沙子『邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV』(新潮社)レビュー

邪馬台―蓮丈那智フィールドファイル〈4〉作者: 北森鴻,浅野里沙子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (12件) を見る 北森のもうひとつの絶筆『暁英 贋説・鹿鳴館』とは異なり、こちらの作…

第1位 葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者: 歌野晶午出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/05/01メディア: 文庫購入: 40人 クリック: 204回この商品を含むブログ (369件) を見る 第2位 厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)作者: 三津田信三出版社…