2019-01-01から1年間の記事一覧
沈黙の目撃者 (文芸書)作者:西澤保彦出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2019/10/31メディア: 単行本 設定というのがガジェットレベルでとどまって、それの秘密が暴かれるような新たなプロットが用意されるわけではなかったのがちょい残念だけれども、収録作…
medium 霊媒探偵城塚翡翠作者:相沢 沙呼出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/09/12メディア: 単行本(ソフトカバー) 今年のいちばんに選出された作品だよ。これはナットクした。作者は細かなミスディレクションに、濃やかなロジックを積み重ねる作風だと思…
善意という暴力 (幻冬舎新書)作者:堀内 進之介出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2019/09/26メディア: 新書 アマゾンのレビューは辛いけど、社会批評としては、テクノロジカルな現在に対して抱かざるを得ないモヤモヤ感を、コンパクトに、文章で剔抉した印象で…
間宵の母作者:歌野 晶午出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2019/11/20メディア: 単行本 むははは。この作品が30周年記念作だったら、いかにもこの作者らしいじゃん。なんか最近この作者のものにはゴミゲスなキャラしか出てこない印象があって、この作品もそ…
相模鉄道 街と鉄道の歴史探訪作者: 山田亮,生田誠,(発行)フォト・パブリッシング出版社/メーカー: メディア・パル発売日: 2019/08/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る これでも読んで、相鉄線をおさらいしよう。ローカル民鉄の…
伊勢佐木町探偵ブルース作者: 東川篤哉出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2019/08/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る ハードボイルドまであともう一歩どころか千里の径庭があるとは思うが、堂々たるユーモアミステリーであること…
流星のソード 名探偵・浅見光彦vs.天才・天地龍之介作者: 柄刀一出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2019/08/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 浅見光彦との共演シリーズ第二弾。今回は派手なトリックを展開せず、事件の糾明行の予断の許さなさで…
哲学の解剖図鑑作者: 小須田健出版社/メーカー: エクスナレッジ発売日: 2019/10/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 久しぶりに思想カタログ本に手を出したけれども、まずは愉しめた。キーワードの選択や取り上げる思想家の選定は熟慮された気配…
ハッピーアワーは終わらない: かがやき荘西荻探偵局作者: 東川篤哉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/06/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る コンスタントにユーモアミステリを発表してくれるありがたさ。結果的に短編多作で…
映画 HELLO WORLD 公式ビジュアルガイド出版社/メーカー: 集英社発売日: 2019/09/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 映画を観たってことで。っていうか、最後の最後の大オチは笑ってしまったぞ。もう、見え透いたどんでん返しはやめときー、って…
新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド作者: 東宝,コミックス・ウェーブ・フィルム,角川書店出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/08/30メディア: 大型本この商品を含むブログを見る 映画を観たってことで。っていうか、台風水害のあとに取り上げ…
法月綸太郎の消息作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/09/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 冒頭のドイル渉猟はやや北村薫チックな小説的処理だけれども、掉尾を飾るクリスティー渉猟は完全にテクストクリティークの醍醐味を…
滅びの掟――密室忍法帖作者: 安萬純一出版社/メーカー: 南雲堂発売日: 2019/06/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 基本的にヘンなものを期待してたような気がする。読んでみたら、結構マトモだった。いや、忍法帖だからやっぱりヘンか。まあ奇人…
指名手配作家作者: 藤崎翔出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2019/04/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る ハイスミス的皮肉な展開が主軸だけれども、シリアスな傾斜を見せるより、主人公たちの欺瞞が、小市民的な空気感を漂わせて…
彼方のアストラ 5 (ジャンプコミックス)作者: 篠原健太出版社/メーカー: 集英社発売日: 2018/02/02メディア: コミックこの商品を含むブログ (2件) を見るアニメで見て、おおっとなったぞ。原作は全5巻完結で短かったんだね。よく目を付けたねえ。ジャンプっ…
ふたたび蝉の声作者: 内村光良出版社/メーカー: 小学館発売日: 2019/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 内村光良は“小説”というものに対して、オーソドックスで堅牢な意識を持っている。太田光のようにソフィスティケートの端的な失敗に気づ…
第160回芥川賞受賞 ニムロッド作者: 上田岳弘出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/01/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 面白い面白い。まああらかじめ見積もった以上の物語的展開はなかったけれど、こういう時代の、ありうべき『全裸監督』み…
道化師の退場作者: 太田忠司出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2019/07/11メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 途中までクリスティーっぽいって思ったんですよ。作者はナラティブのなかに伏線やら何やら仕込むの上手いってこともあるし。人間心理の襞…
第160回芥川賞受賞 1R1分34秒作者: 町屋良平出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/01/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る なんかボクシングのお話なのに、売れない演劇青年の独白を読んでるみたいだったよ。でも身体レベルでの逼塞感が、じわじわ…
ファーストラヴ作者: 島本理生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/05/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 若くして取り立てられた感のある作者だけれども、直木賞受賞するまでは例によって散々焦らされた。受賞作である本作は、確かに…
フランス座作者: ビートたけし出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/12/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る デビュー以前のころを描く自伝的小説。まあ、たけしの抱くニヒリズムのかたちがほんのり見える。思うに、“父”の役割を代行した感のあ…
育休刑事作者: 似鳥鶏出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2019/05/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 相変わらず饒舌な文体なので、作品が新境地なのかどうかはちょいわからんです。意欲的な設定であることは確か。イクメンのディテールに凝るのは…
或るエジプト十字架の謎作者: 柄刀一出版社/メーカー: 光文社発売日: 2019/05/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見る お懐かしや南美希風シリーズ。正統派本格ミステリの醍醐味を味わえるが、クイーンの国名シリーズのタイトルしばりというコンセプ…
白魔の塔作者: 三津田信三出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/04/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 作者の語り口にするすると引き込まれる。怪談の語り部としてもはや揺るがない地位にあると思うが、虚仮威しではない平明な叙述で、そこに…
貌のない貌 梓凪子の捜査報告書作者: 松嶋智左出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 福ミス受賞後第一作で、主人公の前職の警察官時代を描く。新米刑事の奮闘をストレートに描いているので、受賞作よりもア…
【Amazon.co.jp限定】さらざんまい 1(全巻購入特典:「描き下ろし全巻収納BOX」「手乗りケッピぬいぐるみ」引換シリアルコード付)(完全生産限定版) [Blu-ray]出版社/メーカー: アニプレックス発売日: 2019/06/26メディア: Blu-rayこの商品を含むブログを見る …
「日本の伝統」という幻想作者: 藤井青銅出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2018/11/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 前作『「日本の伝統」の正体』の続編的体裁で、世にはびこる「伝統ビジネス」と「伝統マウンティング」の真実を抉り出…
ハムレット殺人事件 (創元クライム・クラブ)作者: 芦原すなお出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/03/11メディア: 単行本この商品を含むブログを見る まあ、ゆるーいミステリーだけれども、語り口のなめらかさと奇抜なナゾ設定で許せる。ひとを喰ったハ…
こうして誰もいなくなった作者: 有栖川有栖出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/03/06メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 作者はこれまでにもバラエティを重視した作品集を出してきたけれども、芸達者ぶりを示していたことはそうなのだが、むし…
「誰にも書けない」アイドル論 (小学館新書 213)作者: クリス松村出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/08/01メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る アイドル関連の本だと、近年の名著だなあ、とつくづく。アイドル「冬の時代」前の80年代アイ…