ウォルターズのは、稠密な筆致で人間の関係性の不全と挫折の様相を描き出した力作。原題「ザ・ブレイカー」にいろいろな意味を含ませているのに留意。ハートのは、対照的な作品ですね。まあ、泣けること泣けること。家族小説と成長小説と犯罪小説を緊密に盛…

ディーセント・ワーク・ガーディアン作者: 沢村凜出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2012/01/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (9件) を見る 労働基準監督官を主人公にした職業小説ということでも珍しいが、このようなアプロー…

もっと変な給食作者: 幕内 秀夫出版社/メーカー: ブックマン社発売日: 2012/01/21メディア: 単行本（ソフトカバー）購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (5件) を見る 前作より二年、珍妙奇抜な学校給食展覧会が帰ってきた！ って、喜んじゃいけま…

鮫島の貌 新宿鮫短編集作者: 大沢在昌出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/01/18メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (15件) を見る 何がすごいって、各話五十枚程度の分量で収めているのにもかかわらず、持ち重りのあることといったら。こ…

再会の街―探偵・竹花作者: 藤田宜永出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2012/01/31メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 作者の近年の作品には、今一着いていけない面があった。作者がオヤジくささを前面に押し出している…

弁護士探偵物語 天使の分け前 (『このミス』大賞シリーズ)作者: 法坂一広出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2012/01/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 今年のこのミス大賞、選評を見るかぎり低調みたいだったけれども、本作が選ば…

NHKニュース ウェブサイト配信 吉本隆明さん死去 戦後思想界担う3月16日 5時20分 戦後の思想界を代表する論客として１９６０年代の学生運動や多くの知識人に影響を与えた評論家で詩人の吉本隆明さんが、肺炎のため、１６日午前２時すぎに東京都内の病院で亡…

本日のエピグラフ 「そういえば、痛みの記憶は脳みその奥深くにぺったりと貼りつきやすいって、なにかの本で読んだことがあるよ。(…)」(p.209) さよならファントム (講談社ノベルス)作者: 黒田研二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/07メディア: 新書 …

本日のエピグラフ 「(…)ただ、Ｓ県民からすると、人が亡くなったらお葬式をするのが当たり前なんです。直葬で送ったら、故人様への気持ちに区切りがつけられなくなるのではないでしょうか。(…)」(p.7) 葬式組曲 (ミステリー・リーグ)作者: 天祢涼出版社/メー…

ブログ『女心は歌心 〜北川玉奴演歌無頼帳〜』より 「『『放射線隊ガイガー・カウンターズ』」

いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)作者: 似鳥鶏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/12/11メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (39件) を見る ミステリアス８ アクロバット８ サスペンス７ アレゴリカル７ インプレッション…

聴き屋の芸術学部祭 (ミステリ・フロンティア)作者: 市井豊出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2012/01/27メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (24件) を見る ミステリアス８ アクロバット８ サスペンス７ アレゴリカル７ インプレッショ…

夢玄館へようこそ作者: 水生大海出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/11/16メディア: 単行本（ソフトカバー）この商品を含むブログ (11件) を見る もしかしたら、作者はダメ人間を描くのが得意なのかも。癖のある、というのでもなく、悪意ある、というので…

絶海ジェイル Ｋの悲劇’９４作者: 古野まほろ出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/01/18メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (14件) を見る ミステリアス８ アクロバット９ サスペンス８ アレゴリカル７ インプレッション７ トータル３９ …

猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社ノベルス)作者: 北山猛邦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/07メディア: 新書 クリック: 38回この商品を含むブログ (35件) を見る ミステリアス８ アクロバット８ サスペンス７ アレゴリカル７ インプレッショ…

所轄魂作者: 笹本稜平出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2012/01/18メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る ＰＲのリード文が紛らわしくて、所轄のベテランの親父とキャリアの息子が親子ゲンカする小説かと思ったら、タッグを組ん…