2023-01-01から1年間の記事一覧

名探偵困難

このミステリーがすごい! 2024年版宝島社Amazon このミス、2回目のコナン表紙で、買う気が失せる。もうネタがないのね。ベストテンのラインナップも見たけれども、どうでもいい感が横溢。京極夏彦のムダに厚い本も読む気しないし、ほんとに面白くもなんとも…

検察は賢察か

なぜ「政治とカネ」を告発し続けるのか作者:上脇博之日本機関紙出版センターAmazon 一躍、時の人だなあ、上脇教授。いや、以前から、政治資金がらみの醜聞については、細かくコメントしてたし、たくさん告発してきたわけだし。上脇さんの告発した案件につい…

おットット

続 窓ぎわのトットちゃん作者:黒柳 徹子講談社Amazon 今になって、トットちゃんリバイバルっていうのも、なんだかなあ、と思うのです。いやまあ、良い本ではあるのだけれども、あのタマネギ頭おばさんの自意識が垂れ流されているものでもあるわけで、で、アニメ…

だから、ヅカ

宝塚 変容を続ける「日本モダニズム」 (岩波現代文庫 学術442)作者:川崎 賢子岩波書店Amazon ヅカも、もう賞味期限切れだから、スキャンダルがバクロされるのかねえ。文化研究のネタになる一方で、あんなものと密かに嘲笑されてもいる。いっそ、道化として、…

そうかがっかリ

公明党 - 創価学会と50年の軌跡 (中公新書)作者:薬師寺 克行中央公論新社Amazon まあ池田大作がホトケになって、公明党がどうなるか、ということで、自民党は大揺れ、、、らしいけれども。まあ、池田信者にしてみれば、公明党がどうなろうが、自民党がどうし…

シン・デレラ物語

ガラスの靴 (新潮文庫)作者:ファージョン,エリナー新潮社Amazon やっぱりシンデレラは、絵本にかぎるなあ、と思わせられる。童話、というか、ポエティックな小説だと、やりたいことはわかるけれども、ディテールが、オトナの妄想に染まっちゃったようになっ…

なんちゅーかほんちゅーか

実話BUNKAタブー 2024年1月号コアマガジンAmazon 発売1日前のブンタブ。すっかり萎えた男根主義雑誌になっちまったなあ。で、日高屋ってそんなまずいの。あんまり行ったことないけれども、そんなまずくなかったけれども。だけれども、せっくせっくうる…

からだの媚

からだの美作者:小川 洋子文藝春秋Amazon 小川洋子は、やっぱり面妖な作家だなあ、と思うのだ。この本の主旨だと、何らかの官能性が浮き彫りになるもんだと思っていたけれども、そこのところをギリギリでそれるんだよなあ。もっとエロくなっていいのに、と不…

バケモンげっとだぜ

【Amazon.co.jp限定】「ダークギャザリング」Blu-ray 第1巻(L判ブロマイド4枚セット付) [Blu-ray]篠原侑Amazon いやあ、これ、まじでこええっす。まじ怖いっす。少なくともアニメにおけるホラー系の代表作的存在になるんじゃないのか。虚仮おどしのショッカ…

現在人

自由訳 イマジン作者:レノン,ジョン,ヨーコ, オノ朝日新聞社Amazon むかし、イマジンをヒマジンと読み替えても、意味が通じるもんだよ、といわれて、なんてバチ当たりな、とおもったけれども、でもまあ、実際なんとなく意味が通じたなあ。イマジンの本質を理…

一行の偉業

日本一みじかい詩の本岩崎書店Amazon 一行詩って、やっぱりいいわあ。自由律俳句とも違うのね。題名があるのが詩で、ないのが自由律、ってわけでもないけれども。自然を詠むのが自由律、対象をコトバで啓くのが詩、なんだろうなあ。さっぱりする。

ステップスキップ

スキップスキップ (【2歳・3歳・4歳児からの絵本】)作者:あまん きみこひさかたチャイルドAmazon あまんきみこと黒井健の組み合わせは、この本から始まったのか。こっちもうれしくなって、スキップしたくなる。あ、逆か。スキップすると、うれしくなって、こ…

天にも負けず

宮沢賢治の世界 (筑摩選書)作者:吉本 隆明筑摩書房Amazon 宮澤賢治の幻想を、客観的に示していることに関して、どんな文学者・研究者よりも、吉本隆明の言及だろうと思う。自然的世界とその彼岸までをも、科学的視線と日蓮宗的倫理観で包括しようとする宮澤…

隙だらけの子がメガネ芸をわすれた

好きな子がめがねを忘れた(11) (ガンガンコミックスJOKER)作者:藤近小梅スクウェア・エニックスAmazon アニメ見てるけれども、1ミリもおもろないのだが。ノーメガネのボケって、今まで何十年も漫才やらコントやらの蓄積があるけれども、そこから一歩も抜け…

私詳説

蝙蝠か燕か作者:西村 賢太文藝春秋Amazon ほんとに最後の私小説作家だったなあ。放蕩にして求道。放埓でも極道でもないけれども。パラノイアが幸福なかたちをとるには、ファロセントリックな無様さが必要なのかとおもったけれども、さ。いずれにせよ、藤澤清…

夜も眠れなくなっちゃう

地下鉄の駅はものすごい作者:渡部史絵平凡社Amazon 伊集院光の100年ラヂオで、春日三球・照代の地下鉄漫才を久しぶりに聴いて、大笑いだったよ。やっぱり昭和後期の漫才は、クレイジーだわ。狂気と正気ならぬ瘴気が紙一重。笑いながら、そこら辺のスリル…

だいじょうぶなかしこい子どもたち

じょうぶな頭とかしこい体になるために作者:五味 太郎ブロンズ新社Amazon 改正教育基本法施行前の本ですね。五味太郎の問題意識は、いまだにアクチュアルだけれども、改正法後の子どもたちに、伝わるかなあ。子どもがヘンになって、ますます珍妙な質問が増え…

一心不乱に維新腐乱

社会福祉法人 評議員会・理事会運営と指導監査Q&A作者:菅田 正明ぎょうせいAmazon こわいねえ、維新の馬場。公党の党首が社福の乗っ取りだなんてねえ。前代未聞でしょ。これ。こんな党に票入れるひとって、政治になにをきたいしてるんでしょうかねえ。世も末…

ゴートゥーヘルク

【BD】TVアニメ「Helck」 1巻 [Blu-ray]movicAmazon ヘルクって、こんなにおもしろかったんだ。アニメ見て、目が見開かれたわ。はっきり言って、即興芸で、物語の先の先まで、考えてると思えないけれども、それがいい。パロディ的要素がファースにダイレクト…

水は赤きから流れ

水 本の小説作者:北村 薫新潮社Amazon 北村さんの語り口がますます心地よくなってくる。無造作に心の赴くままに、資料を渉猟している、かと思いきや、意外な結びつきが露になり、読者は北村マジックに酔いしれる、という寸法。オーラス2話で庄野潤三がフィ…

像が見えます

ぞうがいます作者:五味 太郎文化出版局Amazon 五味太郎の仕事エッセー『絵本を作る』で言及されていた本をひとつずつ拝読。この本は、制作動機からして、いつもの五味太郎的ユーモアとは一線を画した感があり、言ってみれば「奇妙な味」に属するものかも。ホ…

人間の正銘

異型の白昼 (青樹社文庫)作者:森村 誠一青樹社Amazon 森村誠一さんは、まさにミスター社会派だったな。元祖「新本格」と呼ばれたころの本格作品量産時代から一息ついたときに発表されたのが『人間の証明』だったけれども、それよりもこの異型シリーズを初期…

万酷薄乱怪

2025年大阪・関西万博 SDGsガイドブック作者:稲葉茂勝文研出版Amazon どうする万博。もう公然と、空前のポンコツぶりが、大手紙でも指摘され始めていますな。万博といったら内容よりも跡地が一番気になるところなんですが、こっちの夢の島よりも寒そうなあっ…

放浪貴族

林芙美子『放浪記』 2023年7月 (NHKテキスト)作者:柚木 麻子NHK出版Amazon 林芙美子の伝記は、群ようこの本で読んだけれども、これは柚木麻子の解説か。楽しみだなあ。やっぱり林芙美子をどう語るかで、ニーチェ的な貴族意識の有無がわかるよねえ。この人を…

戦場降水帯だねもう

集中豪雨と線状降水帯 (気象学ライブラリー 3)作者:加藤 輝之朝倉書店Amazon まあ線状降水帯というタームは、カタストロフィワードになってしまいましたね。台風と合わせれば、梅雨から夏場というのは、もう水災害の季節ですね。夏を好いてる輩の気が知れん…

模倣の達意

模倣の殺意 (創元推理文庫)作者:中町 信東京創元社Amazon えーっもう復刊から20年経とうとしてるのぉ。いやもう超絶句ですよ。この作品はクリスティーのあの作品……というより、ガストン・ルルーのあれの超変奏として、もはや古典的価値がありますからね。…

20世紀壮年

実話BUNKAタブー 2023年8月号コアマガジンAmazon ブンタブ今月号は、表紙だけ見ると、完全にエロ雑誌だな。ロマン優光の上岡龍太郎の追悼文が、いちばん面白かったな。思ってみれば、上岡龍太郎って、20世紀とともに、芸能界を去ったのだなあ。

I am AIってあら 

世界 2023年7月号岩波書店Amazon ChatGPTって、まだテンプレ回答しか経験してないから、ありがたみがわからん。ただ、諸権利はガンガン侵害してくるだろうね。IT資本にすべて蹂躙されて、すべてのアート産業は儲からなくなるだろうね。ただ、生産年齢人口…

シン自由主義のドクトリン

ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』 2023年6月 (NHKテキスト)作者:堤 未果NHK出版Amazon いまやってる100分デ名著は、『ショック・ドクトリン』を取り上げて、すごぶる興味深い。古典と違って、現在を取材したジャーナリズムの大著なんで、NHK…

ぞんざいな時間

誰にもわかるハイデガー : 文学部唯野教授・最終講義 (河出文庫 つ 1-6)作者:筒井康隆河出書房新社Amazon 遅ればせながら読んだこの本、本文より、解説の域を超えた長文をしたためた大澤真幸の「解説」のほうが、メインですな。ひとは、どの時点で倫理感をも…