2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

もーいくつ寝なくてもーお正月ぅー…………

2006年も時の虚しく過ぎゆくままに、コイズミのケツを拭って我らがアベ王子(と目付ナカガワ)は土下座外交を徹底させたみたいで、海峡の向こうの大統領も死に体、保守派も力を取り戻しつつあるようで、アジア情勢はひとまず小康、国内的にはなんといって…

加納朋子『モノレールねこ』(文藝春秋)レビュー

モノレールねこ作者: 加納朋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (66件) を見る この作者の感覚世界を十全に展開させて満足するけれども、連城三紀彦における『恋文』的位置付けのもの…

長坂秀佳『私の胸には蝮が宿り』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ 疑うべきだ。疑うべきだ。これがテレビドラマの打ち合わせなら、とうにプロデューサーのダメが出ているところだ。(P365より) 私の胸には蝮が宿り―鷹丘城悲恋作者: 長坂秀佳,空山基出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/11/02メディア…

泡坂妻夫『揚羽蝶』(徳間書店)レビュー

揚羽蝶作者: 泡坂妻夫出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る もう完璧に枯淡の境地。『春のとなり』の思わせぶりのなさにも戸惑ったけれども、本作品集の恬淡とした話の運びに接すると、あの『折鶴』…

戸梶圭太『誘拐の誤差』(双葉社)レビュー

誘拐の誤差作者: 戸梶圭太出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2006/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (15件) を見る 戸梶のいうバカって、たぶん本を読まないヒトたちのことなんだろうなあ。そうでなきゃ、ここまでヒト様をおちょくれない…

千野帽子『文藝ガーリッシュ』(河出書房新社)レビュー

文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。作者: 千野帽子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/10/17メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 84回この商品を含むブログ (76件) を見る 「世界の困難と日夜闘っているあなた」のために開…

津原泰水『ピカルディの薔薇』(集英社)レビュー

ピカルディの薔薇作者: 津原泰水出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (44件) を見る 基本的には、怪奇小説というのは、「物自体」が五感を通して“こちら”側の意識へ侵してくる効果を狙った…

1996-2005国内本格ミステリ・私的オールベスト

1996-2005国内本格ミステリ・オールベスト・ランキングのネット投票が公開されました。――まあ、しかし、挙げるのが5作だけじゃ、いかにも物足りない。というわけで、ワタクシ的ベスト10を改めて掲げますです。前にぼやいたように、てっきりベスト20ラン…

島田荘司『最後の一球』(原書房)レビュー

最後の一球作者: 島田荘司出版社/メーカー: 原書房発売日: 2006/11メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (39件) を見る ミステリアス7 アクロバット7 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル35 「月刊島田荘司」の掉尾…

2006年下半期本格ミステリベスト5

例によって読み残しが多々あるのですが、時期的にここらで仕切るのが適当と思われ、慙愧の念に耐えつつも、2006ミステリ年度下半期(2006年5月〜10月)の私的ベスト5をば開陳する次第でございます。凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)作者: 三津田信三…

島田荘司『犬坊里美の冒険』(光文社カッパノベルス)レビュー

犬坊里美の冒険 (カッパ・ノベルス)作者: 島田荘司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/10/21メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (41件) を見る ミステリアス8 アクロバット7 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル36…

大庭健『善と悪』(岩波新書)レビュー

善と悪―倫理学への招待 (岩波新書)作者: 大庭健出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/10/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (34件) を見る 「分析哲学に通じた倫理学者」である著者が、「倫理学」とはどういう学問なのか、と…

北森鴻『暁の密使』(小学館)レビュー

暁の密使作者: 北森鴻出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (16件) を見る 遅ればせながら読了。「グレート・ゲーム」という虚々実々の駆け引きと闘争を背景に、己の仏道がため、原典に相見えようと決…

北森鴻『親不孝通りラプソティー』(実業之日本社)レビュー

親不孝通りラプソディー作者: 北森鴻出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2006/10/17メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (17件) を見る 何やらこのところ80年代プレイバックの風潮がメディアを通じて強まっているが、何のことはない、バ…

山口雅也『ステーションの奥の奥』(講談社)レビュー

ステーションの奥の奥 (ミステリーランド)作者: 山口雅也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (51件) を見る ミステリアス8 アクロバット7 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッシ…

『週間文春』12月14日号

「文春図書館2006ミステリーベスト10」。今年から、「日本推理作家協会全会員アンケート」の謳い文句がなくなっているわけですね。いや、某Wせんせーの新作のタイトルだけを知るのを楽しみにしてたのにー。…………ムカシだったら、乱歩賞などの鳴り物入…

浅暮三文『ポケットは犯罪のために』(講談社ノベルズ)レビュー

本日のエピグラフ 仏壇で手を合わせて、面白かったですよって祈ってやれば、やつも危害を加える気にならないだろう。(P205より) ポケットは犯罪のために 武蔵野クライムストーリー (講談社ノベルス)作者: 浅暮三文出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/1…

探偵小説研究会=編・著『2007本格ミステリ・ベスト10』(原書房)レビュー

本格ミステリ・ベスト10〈2007〉作者: 探偵小説研究会出版社/メーカー: 原書房発売日: 2006/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (31件) を見る 本ミス十周年の節目、いやはや今年は接戦でした。上位五作は順位があって無きが如…

『SIGHT』VOL.30 2007冬

SIGHT (サイト) 2007年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2006/11/30メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (11件) を見る 魯鈍な“右翼”とうんざりするような“サヨク”の狭間に、渋谷陽一がたちあげたリベラル・オピニオン…

加賀美雅之『風果つる館の殺人』(光文社カッパ・ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ ですが私には、このみごとな庭園自体がイギリスのアイルランド侵略の象徴のように思われてならないのです。(P435より) 風果つる館の殺人 (カッパ・ノベルス)作者: 加賀美雅之出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/08/22メディア: 新書 …