本日のエピグラフ
今の日本はこの前見た幻燈の絵のようなもの。(中略)中が空洞であっても、腐っていたとしても見た目には分からない。それを切って中身を見せてこそ幻燈の国ではなくなる。(「第十二話 幻燈国家」P311より)
- 作者: 高橋克彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 9 |
トータル | 41 |
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今回は作者が所蔵する「新聞錦絵」から想を得た*1、好評捕物シリーズの第四集。完四郎、ポウの『モルグ街の殺人』と邂逅するの巻、でもあります。「新聞」と探偵小説のかかわりを強烈に喚起させつつ、日本における初期モダニゼーションの過程をリアルタイムに追いかけるコンセプトは、明治期に入っていよいよ鋭さを増す。これから時代が下るにつれて、怪談などの非探偵小説的要素はどのように扱われるのかしらん。
*1:ていうか、「マリー・ロジェの謎」の魂を吹き込んだ、と評するべきなんでしょう。