河合莞爾『救済のゲーム』(新潮社)レビュー

救済のゲーム

救済のゲーム



 推薦文を寄せているのが本格プロパーの人ではないので、本格ファンには訴求していないのかもしれないが、物語性と構築性を兼ね備えた、本格の力作だ。作者の現時点の到達点だろう。スポーツミステリに、オカルト的要素を付与するのは、水と油だと思っていたが、そうかゴルフだとロケーション的に満たされるものがあるのだと、実感。ボリューム感がありながらも、リーダビリティは安定し、読後感はよい。