本日のエピグラフ
「まだ有名じゃないけど、前に一度、意外なドンデン返しで二着に入ったことがある。いつもドラマチックに面白く見せてくれる私のお気に入り」(P298より)
- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 9 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 10 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 10 |
トータル | 48 |
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冒頭で繰り出される“謎”のひとつに、作者の原点回帰を見ましたよ(わかる人には、わかる)。存分に、思わせぶり、すかしっぷりを味わわせてくれる前半、そして、物語のトーンを変えて巨大な反転劇を仕掛ける後半。賛否両論あるだろう最終章は、家族の暗部を甘い蜜として集ってきた「蜂」どもが去ったあと、その「蜂」たちが「造花」に残した花粉によって、「造花」が本物の花の種子を宿すかのような、そのようなささやかな希望をそっと添えることが、作者にとって、このシュールな悲喜劇の幕を下ろすのに、必然だったのだろう。