米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ

 「古書に曰く、アミルスタン羊は『唇』が佳いとあります。今夜は唇の蒸し物を、心ゆくまでご堪能いただきたいと考えております」(「儚い羊たちの晩餐」PP251−252より)

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴


 
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 作者の身のやつす方向性が、少女趣味に向かっているのか、その男性作家的思い込みのほうに向かっているのか。過去の名作・傑作へのオマージュという趣向性もさることながら、「北の館の罪人」「山荘秘聞」などの技巧性も純粋に味わいたいもの。