三崎亜記『コロヨシ!! 』(角川書店)レビュー

コロヨシ!!

コロヨシ!!



 作者のイメージの喚起の仕方は、基本的に短編向きなのではないか、と思う。構築性が要求される物語だと、ディテールの盛り具合をどういった部面で厚くし淡くするのかで、その小説のスタンスが決まってしまうけれども、そこらへんは先行作と比べても一貫しているが、ありうべきデフォルメの効果が殺がれてしまっているのではないか。青春小説として水準以上の出来映えだけれども。