2010-06-09 小池真理子『存在の美しい哀しみ』(文藝春秋)レビュー 作者名カ行 存在の美しい哀しみ作者: 小池真理子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る 久しぶりに読んだ小池作品だったけれども、悲哀の提示の仕方の自然さはもとより、様々な関係性を、淡々としながらも優しく扱う手付きが、読み手に余計な忖度をさせぬほど巧みで、小説家ってのはいつまでも洗練されていくものなのだなあ、と感慨ひとしきり。家族という主題に、時代の宿命性を絡ませて、奥深い小説空間を構築した。