東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』(小学館)レビュー

本日のエピグラフ

 「いえ、わたくしはけっしてお嬢様のことを馬鹿にしたつもりは……」/(…)「確かにあなたはあたしを馬鹿にしなかった。だって、あなたはあたしをアホと呼んだんですもの! (…)」(「第一話 殺人現場では靴をお脱ぎください」P27より)

謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで



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 執事探偵のキャラのユニークさに気を取られて、お嬢様の方が一種のツンデレみたくなっているのに、思いが至りませんでした。いや、デレっとはしてないんですが、ワトスン役の設定の妙ですね。ユーモア本格の期待通り、おフザケとロジックのヒネリを愉しませてくれるが、特に「花嫁は密室の中でございます」は会心の一打、だろう。