今年もやっぱり、下半期2010年5月〜10月に力作が集中しました。こういうのを、あまり構造的なことにされても…………。今年度は、新人の意欲作が、本格フィールドを救った感がある。
- 作者: 安萬純一
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/10/09
- メディア: 単行本
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第1位:安萬純一『ボディ・メッセージ』
賛否はだいたい4:6の割合かしらん。小説における知的センスを感じさせるのが、何より。今後も人を食ったような路線で、仕事を進めてほしいな。
- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/09
- メディア: 単行本
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第2位:麻耶雄嵩『隻眼の少女』
おめでとうございます。作者のもののなかでも、オーソドックスな部類に入るのかなあ。麻耶雄嵩作品における“父”の存在については、論ぜられるべき課題なのだろう。
- 作者: 丸山天寿
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/08
- メディア: 新書
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第3位:丸山天寿『琅邪の鬼』
ベストテンでは見事にスルー。ていうか、こういう力作が評価されないのは、メフィスト賞自体がネグられているってことかしらん。読み逃すことがなきよう。
- 作者: 伯方雪日
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 単行本
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第3位:伯方雪日『死闘館 我が血を嗣ぐもの』
ベストテンでは見事にスルー。ていうか、こういう力作が評価されないのは、本格の住人は格闘技ネタがお嫌いなのかしらん。でも、そういう話しているひと結構いるのに。作者は、麻耶雄嵩なみに寡作のひとだよ。読み逃すことがなきよう。
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06
- メディア: 単行本
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別格:島田荘司『写楽 閉じた国の幻』
誰も話題にしてないけれども、島荘作品の『このミス』ベストテン入りは、実に19年ぶりで、自己最高位更新。まあ『このミス』の一部評論家たちとのインネンを考えると、感慨深いものがありますな。本作は、歴史ディテクティブの枠組みを超えて、ポストコロニアリズム小説にまで届く射程を獲得した。奇想は、権力の裏側をよく照射するだろうか。