米澤穂信『折れた竜骨』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ

 『(…)お前には素質がある。真実を見つめる勇気がある。理性と論理は魔術をも打ち破る。それを証明するんだ。(…)』(p.280)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)



ミステリアス
クロバット10
サスペンス
アレゴリカル10
インプレッション
トータル47


 論理ミステリとしての切れ味を堪能しました。戦闘描写は劇画チックで、確信犯なのかな。異世界コードは、比較的緩やかで、逆説を可能にするための最低限の作意の次元に留まっているが、ここのところは、作者の冷徹な計算、作品の統御力の発現として、絶対に肯定したい。