本日のエピグラフ
「(…)しかし、あまりにも論理一辺倒の思考には弱点もあるんです」/(…)/「いったん犯人が発想した地点に立つことができれば、後から思考の筋道を辿っていくのも容易だということです。(…)」(「鍵のかかった部屋」p.152)
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/07/26
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 10 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 9 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 10 |
トータル | 47 |
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夾雑物を排して、密室解明のやりとりだけなのに、きちんと“小説”になっているんだもん。キャラ設定のお約束だけがすべて、といったもんとは雲泥の差。仮説提示とその放棄の手付きが、もったいぶってない、どころか薄皮をむくように真相にせまっていくスリルを存分に味わえる。「密室劇場」は、前作同様パロディだけれども、トリック自体に妙なリアリティを与えているのに成功している。これもまた“小説”力の賜物。