笹本稜平『所轄魂』(徳間書店)レビュー

所轄魂

所轄魂



 PRのリード文が紛らわしくて、所轄のベテランの親父とキャリアの息子が親子ゲンカする小説かと思ったら、タッグを組んで、本庁の「帳場壊し」と対抗する物語でした。基本線は人情ドラマで、テレビドラマ的口当たりの良さは気にかかるけれども、きっちり楽しませてくれるということで、作者の底力を示すもの。