伊坂幸太郎『夜の国のクーパー』(東京創元社)レビュー

夜の国のクーパー

夜の国のクーパー



 作者が政治的なるものにアプローチして、だんだんと宮沢賢治に接近しているような。でも、世界はかくあるべし、というスタンスから一歩引いて、世界のありのままを描出しようとする意思が、ミステリーの手法を手放さないのが、興味深いところ。