北山猛邦『猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条』(講談社ノベルス)レビュー



探偵小説の脱構築を、ギミック重視でも、あまりファース仕立てにせずに、正攻法(?)でやると、こんな感じに。構成的ハッタリが、奸計の算段を暴く展開になっていくのは、さすがにスリリングだけれども、斉藤肇の『思い』シリーズ三部作のようなシニックなスタンスがないと、かえってワクワクできないのではないか。