蓮見恭子『拝啓17歳の私』(角川春樹事務所)レビュー

拝啓17歳の私(わたし)

拝啓17歳の私(わたし)



 連作短編形式の青春ミステリー。個々の話にギミックが効かせてあり愉しめるけれども、物語の焦点が揺らいだ感はあるかも。個々のキャラクターは、それなりに陰影があるがゆえに、従来型の青春ドラマの範型から脱け出せなかった憾みがどうしても残る。