一條次郎『レプリカたちの夜』(新潮社)レビュー

レプリカたちの夜

レプリカたちの夜



 昨年の新潮ミステリー大賞受賞作だが、ファンノベ賞とどう違うのというツッコミをしようとしたら、ファンノベ賞休眠状態だったとは。とりあえず作者には、SF系のハードボイルドを期待したいが、特殊状況下でのニヒリズムの生長というテーマは、書きやすいようで賭け金が大きいような気がしないでもない。