吉田篤弘『ブランケット・ブルームの星型乗車券』(幻冬舎)レビュー



 「クラフト・エヴィング商會」の中の人の紡ぐ、遠い国で堀り起こされた、心が緩むたおやかな寓話の詰め合わせ。この本読んで、旅情というのは、旅先の風景に心掻き立てられるのでなく、その出来事の新鮮なリアリティに心打たれるものなのだなあ、と再確認した。旅行小説でなく、ブンヤものなんだけど。