虚空へ

 
 谷川俊太郎の十四行詩が、自由律俳句のように読める。アフォリズムのように読める。箴言集のように読める。存在を凝縮させて、宙に浮かぶ点のように、すべてのものへ身をさらして、ひたすら無への憧憬を詩句に結晶化させたようだ。いやなことしかなかった本年の終わりに、心が浄化された。