- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 7 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 8 |
トータル | 39 |
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「きみとぼく」のセカイ系を宙吊りにする戦略として、乙一は『銃チョコ』で真正面からエディプスの三角形を導入したけれど、米澤穂信の場合、なんと「きみとぼく」のセカイを更に可能世界で分割して、「ぼくとぼく」のセカイの拮抗としてそれを企んだわけであった。<私>の本質をなす、「根源的偶有性」=「<他>でありえたかもしれない」性が、主人公の「ぼく」世界において不審死を遂げたガールフレンドのキャラクター、即ち「きみ」に投影されているのは、周到な仕掛けで、ブラボー。