谷原秋桜子『砂の城の殺人』(創元推理文庫)レビュー

砂の城の殺人 創元推理文庫

砂の城の殺人 創元推理文庫


 
ミステリアス8 
クロバット8 
サスペンス7 
アレゴリカル7 
インプレッション8 
トータル38  


 このシリーズ、ひとむかし前だったら、コバルトシリーズから刊行されていたようなものだと思うのですが、いまはミステリはダメなのかなあ。…………大塚英志が『物語の体操』で引用しているグレマスの「行為者モデル」に、キャラクター配置が実に忠実で、つまりはホームズ‐ワトスンの物語ではないんだよな、本質的に。ラノベのミステリだったらさもありなんと思いきや、実は結構少なかったりする。…………三作目は、クローズドサークルテーマで、登場人物が少なくて底が割れるかと思えば、なかなか予断を許さない。次作も期待したいけれども、立花直海にはどうしても猫丸先輩のキャラ霊が憑依してしまい…………それでも彼女は好きなんですが。