本日のエピグラフ
しかし、今度は「弔う」ということはどんなことなのかということが分からない。/(中略)/その人がこの世に確かに生きていたのだと憶えていて、そんな街や、そんな時代があったのだと憶えていて、出来うる限り、世に伝えることじゃねえのか(後略)(「二つの墓」P308より)
- 作者: 祐光正
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 9 |
トータル | 41 |
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乱歩的モダニズムとIWGP的ノリの接合、と思いきや、掉尾を飾る「二つの墓」で、“物語”の必然性、そのパトスのありようが明らかになる。というか、浅草にカラーギャングという設定の勝利ですな。探偵小説的には、消失モノ「瓶詰少女」がトリックの定型をなぞっているとはいえ、面白い。二話目の変身テーマにも興味をそそられるけれども、漢字が拾えない。朱川湊人、門井慶喜に続き、復調しはじめたオール讀物推理小説新人賞出身の有望株。