三田完『俳風三麗花』(文藝春秋)レビュー

俳風三麗花

俳風三麗花


 
 昭和ファシズム直前の時期を背景とする市井小説。かっちりと仕上げたのは、それほどイヤミではないから、気持ちよく読める。*1ドラマツルギーにさほどの創意が見られないのは、「艶書合」での物語の展開で露わになるけれども、小説は上手いから、プラマイゼロか。

 

*1:だから、これが直木賞受賞しても、さほど違和感はないし、不愉快にもならない。