笹本稜平『越境捜査』(双葉社) レビュー

越境捜査

越境捜査



 
日本の警察小説における“仁義なき闘い”の設定、警視庁vs神奈川県警モノの新境地です。カネは天下の回り者、というか天下の回し物というか。国家警察という暴力団内部の迷宮に誘われるが、プロットは予断を許さない展開で、収まるべくして収まった感のある大団円まで、きっちり愉しめる秀作。