2007-10-26 乾ルカ『夏光』(文藝春秋)レビュー 作者名ア行 夏光作者: 乾ルカ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/09/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 17回この商品を含むブログ (19件) を見る 有力なホラー小説の書き手がまたひとり。グロテスクな設定の物語に、カタルシスをきっちり与える手際は、安定した技量を感じさせる。ブラックユーモア的小品である「は」は集中では異色編になるのだろうが、全編で共通して、この“世界”と“異界”の連続性と断絶の意識に鋭敏なのが、個々の小説世界を支えている。