桜庭一樹『私の男』(文藝春秋)レビュー

私の男

私の男



 
通俗的な“禁忌”の意識と結託しながら、ヘドニズムを追求することで、“恋愛”とは異質な何かを抉り出す。過去へ遡行するのは、ある種のイノセンスへ物語を収斂させるためだろう。